愛知県議会 > 2000-02-01 >
平成12年2月定例会(第8号) 名簿
平成12年2月定例会(第6号)〔資料〕
平成12年2月定例会(第6号) 本文
平成12年2月定例会(第6号) 名簿
平成12年2月定例会(第2号) 本文
平成12年2月定例会(第2号) 名簿
平成12年一般会計・特別会計決算特別委員会 本文 開催日: 2000-02-01
平成12年一般会計・特別会計決算特別委員会 名簿 開催日: 2000-02-01
平成12年2月定例会(第7号) 本文
平成12年2月定例会(第7号) 名簿
平成12年2月定例会(第3号) 本文
平成12年2月定例会(第3号) 名簿
平成12年2月定例会(第4号) 本文
平成12年2月定例会(第8号)〔資料〕
平成12年2月定例会(第5号) 本文
平成12年2月定例会(第5号) 名簿
平成12年2月定例会(第1号) 本文
平成12年2月定例会(第1号) 名簿
平成12年2月定例会 日程
平成12年2月定例会(第10号) 本文
平成12年2月定例会(第10号) 名簿
平成12年2月定例会(第8号) 本文
平成12年2月定例会(第10号)〔資料〕
平成12年2月定例会 目次
平成12年2月定例会(第9号)〔資料〕
平成12年2月定例会(第9号) 本文
平成12年2月定例会(第9号) 名簿
平成12年2月定例会(第4号) 名簿
平成12年2月定例会(第1号)〔資料〕

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  1. 愛知県議会 2000-02-01
    平成12年2月定例会(第5号) 本文


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    最終取得日: 2023-06-17
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成12年2月定例会(第5号) 本文 2000-03-03 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 63 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 2 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 3 :  ◯九番(可児茂久君) 選択 4 :  ◯民生部長大見賢治君) 選択 5 :  ◯教育長伊藤廉君) 選択 6 :  ◯労働部長長谷川信義君) 選択 7 :  ◯知事神田真秋君) 選択 8 :  ◯九番(可児茂久君) 選択 9 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 10 :  ◯二十一番(大竹正人君) 選択 11 :  ◯土木部長竹内義人君) 選択 12 :  ◯教育長伊藤廉君) 選択 13 :  ◯農業水産部長岩月邦彦君) 選択 14 :  ◯知事神田真秋君) 選択 15 :  ◯二十一番(大竹正人君) 選択 16 :  ◯土木部長竹内義人君) 選択 17 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 18 :  ◯六十九番(鬼頭英一君) 選択 19 :  ◯環境部長山下次樹君) 選択 20 :  ◯労働部長長谷川信義君) 選択 21 :  ◯商工部長蔵元進君) 選択 22 :  ◯知事神田真秋君) 選択 23 :  ◯六十九番(鬼頭英一君) 選択 24 :  ◯五番(吉川伸二君) 選択 25 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 26 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 27 :  ◯副議長(柴田紘一君) 選択 28 :  ◯四十四番(田中志典君) 選択 29 :  ◯教育長伊藤廉君) 選択 30 :  ◯副議長(柴田紘一君) 選択 31 :  ◯三番(原邦芳君) 選択 32 :  ◯土木部長竹内義人君) 選択 33 :  ◯警察本部長(古賀光彦君) 選択 34 :  ◯企画部長(柳田昇二君) 選択 35 :  ◯知事神田真秋君) 選択 36 :  ◯三番(原邦芳君) 選択 37 :  ◯副議長(柴田紘一君) 選択 38 :  ◯六十二番(長谷川武君) 選択 39 :  ◯建築部長(杉山義孝君) 選択 40 :  ◯企画部長(柳田昇二君) 選択 41 :  ◯企業庁長(清水正一君) 選択 42 :  ◯知事神田真秋君) 選択 43 :  ◯六番(小林功君) 選択 44 :  ◯副議長(柴田紘一君) 選択 45 :  ◯副議長(柴田紘一君) 選択 46 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 47 :  ◯十番(田辺克宏君) 選択 48 :  ◯建築部長(杉山義孝君) 選択 49 :  ◯企画部長(柳田昇二君) 選択 50 :  ◯知事神田真秋君) 選択 51 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 52 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 53 :  ◯八十九番(三輪敦昭君) 選択 54 :  ◯企画部長(柳田昇二君) 選択 55 :  ◯国際博推進局長(森徳夫君) 選択 56 :  ◯民生部長大見賢治君) 選択 57 :  ◯知事神田真秋君) 選択 58 :  ◯八十九番(三輪敦昭君) 選択 59 :  ◯知事神田真秋君) 選択 60 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 61 :  ◯五番(吉川伸二君) 選択 62 :  ◯議長神戸昭治君) 選択 63 :  ◯議長神戸昭治君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時一分開議 ◯議長神戸昭治君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問 2: ◯議長神戸昭治君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  可児茂久君。     [九番可児茂久君登壇](拍手) 3: ◯九番(可児茂久君) おはようございます。一般質問も、本日が最終日です。その先陣として頑張ってまいります。  今回、私は二項目通告をいたしましたが、項目の二の商店街振興につきましては、質問時間の関係もあり、今回は割愛をさせていただきます。  それでは、質問させていただきます。  今日の福祉行政は常に議論の場となっており、障害を持つ人たちの理解やケアや、施設などもまだまだ満足といかないまでも、進んできたと思われます。その中で、私は、地域社会や行政の中でまだまだ認知や理解がおくれていると思われる自閉症について質問をさせていただきます。  自閉症は脳の機能障害の一種であり、生まれつき見る、聞く、触れるなどの知覚や、物事の理解の仕方が普通の人と違うために、コミュニケーションがうまく成り立たない障害であるとされております。自閉症の人は混乱や不安に陥りやすく、周囲の無理解がさらに本人の混乱に拍車をかけ、パニックになったり、自分自身の体を傷つけたり、急に他人に暴力を振ったり、物を壊したりする行動につながることも珍しくはありません。  そして、今日まで、自閉症という言葉のニュアンスからさまざまな誤解を生み、その家族の方やそれを見守る方々のつらい歴史がありました。医学的にはまだ解明されていない部分が多く、それがゆえに、社会的にも極めて認知度が低いというのが現状であります。見た目には健常児と変わらないために、親のしつけのせいにされたり、治る病気だと言われたり、または自閉症はうつるとまで、当事者にとっては笑うことしかない、そういった程度の理解しかないのが現状であります。  当の親たちにとっても、自分の子、我が子が三歳児健診等で自閉症と診断されてから、初めて自閉症と知るのです。そして、それとわかったときから我が子の将来を思い、そして、その我が子とこれからともに歩む人生の道のりの長さを思い、死という言葉を考える人も少なくないのです。それは、保育園、幼稚園の入園時から小学校の入学、学校生活、学校卒業後の生活、そして就労へと続いていくわけであります。  そこで、これから私は、民生・労働各部、教育委員会はどのように考え、どのように取り組もうとしているのか、以下、順次お伺いをいたします。  まず、三歳児健診等で自閉症と診断されても、心身障害児・者の総合施設である心身障害者コロニーにおいても、児童相談所においても、養護学校においても、自閉症の専門施設である泰山寮においても、病院においてもこれまで明確な専門的な指導はなく、親に対して何のケアもありませんでした。それでは、親は絶望のふちに立たされ、涙を流すしかすべがありませんでした。そうしてたどり着くのが同じ子を持つ親の会であります。行政の機関ではなく、同じ悩みを持つ先輩方にしか相談する相手がいないのです。ぜひともここで、愛知県の関係機関で、自閉症と診断を受けた時点から、その家族のケアを含む支援体制をつくることが肝要かと思います。そのお考えをお聞かせください。  そして、自閉症の子供たちが小学校の入学とともに始まるのが、学校の先生方による認識不足、理解不足の悲劇であります。親が子供をしつけないわけはありません。ましてや、自閉症の親は健常児の親よりも世間の目を気にしているのです。にもかかわらず、見た目は健常児と余り変わらないものですから、異常な行動のとき、他人から見たら、ただのしつけのなっていない子供に映るのです。  彼らは先天的に親の感情や相手の立場がわからないのです。自分自身の親に対しても、自分の親だということが理解できない人もいます。例えて言うなら、自閉症の人は、言葉も感情も通じない宇宙人の中にただ一人ほうり込まれたようなものだと表現する人もおられます。
     親の願いは、どんな障害を持った子供でも、社会の人たちと、その中で違和感のない交わりのもと、生活が営めることであります。そして、偏見のない正しい理解のもとに認知をされることであります。そういう意味からも、最もそれを教えなければならないのが学校であります。しかし、現実は、一時的な普通学級との交流においても、授業の妨害になるからと断られたり、修学旅行は親との同行はもちろん、行かないと学校の体面が悪いから現地まで行って、迎えに来て帰ってくれと言われたりした親もいます。  社会はいろいろな人たちで構成されているのです。そして、その中に障害を持った人もいます。私たちはハンディを持った人たちと違和感なく生活することが理想だと思います。それを学ぶ場としての学校においてこのように拒否されるのは大変悲しいことであります。  また、親に対して一部の心ない教師から我が子のことを、牛より言うことを聞かないとか、自分のペットのようにかわいいと思っているとか、親にすれば、教師にあるまじきというよりも、人として、人間としても許せない発言をする先生がいるということも事実であります。こういった状況を教育長は御存じでありましょうか。そして、それに対しどのように対処されるつもりか、お考えをいただきたいと存じます。  私は以前、そういった状況を教育委員会の方にお話をさせていただきました。そして、どのように打開をしたらいいか尋ねました。その答えは、徹底的にその教師とお話しすべきだとおっしゃいました。私は、一部の教師の素行のことや個人的な生徒に対してのお話をしているのではありません。私は、学校教育全体がもっと、ハンディを持った児童生徒に対し正しい理解と認識と知識を持ってもらいたいということであります。  そうした状況の中、最近、自閉症の治療、教育におけるアメリカのTEACCHプログラムの理念と技術を取り入れる試みが日本でも広がってきております。TEACCHとは、自閉症及び関連するコミュニケーション障害の子供のための治療と教育という意味の略語であります。アメリカ・ノースカロライナ州の公式プログラムとして全州規模で行われており、その基本理念には、それぞれの自閉症の人にわかりやすい環境を整えること、親と専門家が共同治療者になるということであります。  教員の研修の一環としてTEACCHプログラムを、いろいろな障害を持った人たちの認識と知識と対応の方法として勉強する機会をぜひつくっていただきたいと思いますし、養護教育の手法として取り入れていただきたいのであります。教育長のお考えを示していただきたいと存じます。  次に、学校の先生の定数の問題であります。  特殊学級においては、先生の定数の規定が当然ございますが、それは障害児の人数と学級数とで決められております。その学校に通う児童の個性によるものではありません。端的に言えば、手のかかる児童が通学している学校とそうでない学校では、先生の過重が違うということであります。ぜひともその現場の実情に合った教員配置を行うよう要望をさせていただきます。  そして、次は、病院問題であります。  自閉症の方は、一般病院では診察が大変困難なことが往々にしてあります。そのため、特別にコロニーの中央病院で受診するわけでありますが、自閉症を十分に理解した精神科医が不足しているためか、外来の待ち時間が大変長く、初診においても再診とも、一日がかりで受診をしなければなりません。そのためにも自閉症の対応のできるスタッフの配置をぜひしていただきたいとともに、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、外科などの診察日をふやすことをあわせてお願いをいたしたいと存じます。  また、自閉症の中で強度の行動障害のために家庭では見られなくなった場合に、そういった場合や肥満のため治療が必要な場合などは入院をいたします。そのとき、病院ではかぎのかかった個室で、あとは何一つないといったところに入るわけであります。どうか生活場面のある施設でTEACCHプログラムのような専門的な治療を行っていただけないものでしょうか。診察の待ち時間の短縮を含め、お答えをいただきたいと思います。  次に、就労であります。  自閉症の方で就労をしておられる人々の中には、自閉症の特性を同僚の方や関係者に十分理解されず、毎日つらい状況で生活しておられる人が数多くお見えです。また、就労させる側も、その対応に悩んでいるのが現状であります。こうしたことを解決するため、私は、ジョブコーチの制度を設け、相談に対応できる体制づくりがぜひ必要と考えます。これから、こうした制度を今後設けるつもりはないかどうか、お答えをいただきたいと思います。そしてまた、自閉症者の一般企業への雇用促進に向けた取り組みについてもお尋ねをいたします。  次に、療育についてであります。  現在、自閉症者の療育については、県内の各児童相談所、知的障害者更生相談所が窓口となっておりますが、各地域で自閉症の療育相談員を、専門を置いたと、そうした形で行われてはおりません。そこで、こうした人々がほんの少しの小さな問題でもすぐに相談に行けるように、窓口に専門のスタッフが必要でありますが、現実は、そのようなスタッフがいないような状態であります。児童相談所、更生相談所は、ともに専門機関として相談、指導に応ずる機関であるはずであります。早急に専門スタッフの養成をすべきであると思いますが、どのように対処されるつもりか、お伺いをいたします。  このように自閉症の問題は多岐にわたっております。その解決方法は何でありましょう。それは、正しい知識で正しく理解し、そして、それを研究する機関とその専門家の、専門的な知識指導ができる人間の育成ではないでしょうか。  愛知県には全国に誇れるコロニーがあります。現在、発達障害研究所では、九十名の職員の方で、年間八億円の県費をかけています。そして、二十八年間で百六十六億円の一般財源を投入したことになりますが、その研究所の二十八年の歴史の中で、自閉症に関してどれだけの研究がなされ、県民に対しどれだけの成果が返されたのでありましょう。具体的にお聞かせください。  また、コロニーは心身障害者に対し系統的に一貫した保護育成をしてきた施設であり、自閉症に対し対応できる人材も数多く育成されていると思いますが、私は、何人の専門家がここで育っているのか、疑問に思います。  私は何度かコロニーにお邪魔をさせていただきました。また、自閉症の療育では進んでいると言われております秋田県、神奈川県、静岡県の各施設を調査、見学に参りました。そして、その違いに驚きました。進んだ施設では感動さえ覚えました。  しかし、私が見た愛知県コロニーの実態は、たくさんのかぎの世界でありました。職員の皆さんは多くのかぎを腰につけ、あらゆる施設への移動は、おびただしいかぎを駆使して行かなければなりません。私が行ったときも、ちょうど自閉症者が職員の方に暴れたから反省だと言われて、個室にかぎをかけられました。また、自分の排せつ物を投げる人には外に投げないように窓をなくしてしまったり、けんかをする者同士には壁をつくってしまったり、そういう措置がしてありました。彼らは犯罪者ではありません。ただ、生まれながらに障害があるだけです。  私のところへ自閉症者の親御さんからこんな話がありました。私の子供はコロニーでお世話になっております。自閉症と知的障害があります。私は、子供を施設へ入れたことがふびんで、月に何度も施設へ参ります。そのたび、かぎのかかった個室で簡易トイレがちょこっと置いてあるところに入れられております。その姿を見るたび、私は何度となく隠れて泣きました。しかし、自分の家では暴れて手のつけようもないから、仕方がないからと、自分で何度も何度もあきらめるようにしております。しかし、幾ら暴れても、家に置いた方がよかったのではないかと、個室へ閉じ込められて暴れることもできない我が子を思うと、涙がとまりませんということでありました。  コロニーの目的は、コロニー管理規則第一章第三条で、コロニーは総長の統括のもとに、入所者に対し適切な保育・医療・教育及び訓練を施し、もって家庭復帰または社会復帰を可能とするよう運営されなければならないとされております。そこで、今日まで家庭・社会復帰した人は何人中何人いたのでしょうか、お答えをください。  自閉症者の中には、自分自身の体に傷をつける人、また、急に暴れて他人に暴力を振るったり、物を壊したり、片時もじっとしていられない人、突如として奇声を発したり、突発的行動に出てパニックになる人もいます。各人それぞれの行動があるため、対処方法も違います。そのためそういったことから、これまでコロニーや泰山療の指導は、療育というよりも、その行動を抑え込む、抑えつける対処方法しか行われていないように思います。  ところが、アメリカのノースカロライナ州では、自閉症の青年の九五%が地域で自立生活をしていると聞きます。そして、TEACCHプログラムを実践し、大きな成果を上げている施設が日本にもあらわれてきたのです。  私が訪ねた神奈川県の施設は、外からの侵入者に対してのかぎはありましたが、押し込めるためのかぎはありませんでした。施設の移動も、かぎは要りません。そして、そこでは、道路の掃除をしている人や作業をしている人、ジョブコーチと地域社会で働いている人、そして、ジョブコーチも要らない人もいるということでありました。そこの人たちは落ちついていました。そして、その目にはおびえがありませんでした。我がコロニーとは違い、何か空気まで明るいような気がいたしました。  静岡県の施設を訪ねたときもそうであります。そして、そこの施設長さんはおっしゃいました。私たちは神奈川県の施設をまねたのです。そして、それからがらっと変わりました。職員も変わりました。気持ちが通じ合う気がします。そして、神奈川県のようにアパートを借り切り、そこをグループホームにしたいと思います。本当に変わりましたと。  そして、そこでは、毎日地域の人が買いにくるパンをつくったり、町のお店へクッキーを卸したり、展示会で売る陶磁器をつくっていました。その作業所は決して立派な建築物ではありません。プレハブの小屋の中で一生懸命作業をしているのです。中には、職員の方がまねのできないくらい上手な人や、人よりも十倍以上もかかってゆっくりと黙々と作業をしている人と、さまざまでありますが、みんな気持ちが落ちついているようでありました。その療育は、確実に私の目には成果を上げているような気がいたしました。  そこで、私は知事に心からお願いをいたしたい。こうしたプログラムを愛知県コロニーでも十分実施する価値があると思います。そして、今こそコロニーがその研究と情報発信地として生まれ変わるときが来たのだと思います。コロニーの職員の中でも、有休をとって自費でTEACCHプログラムの研修に行こうかとか、講師を招いて勉強会を計画したいとか、そういうお話も聞きました。コロニーの中には人材はいます。そして、TEACCHプログラムが実践できる人をぜひ育成していただきたいと思います。専門のスタッフを育てていただきたいのです。  昨日の知事の答弁の中でも、ソフト面での充実も必要であるとの認識があると示されました。であるならば、アメリカのノースカロライナ州立大学へ職員を留学させてはいかがでしょうか。そして、そのための組織ができるような所要の措置を講じていただきたいと要請するものであります。  他の県は、まだまだ民間に対して支援、援助をしているだけであります。今ここで、神田県政が、愛知県がコロニーで他県へ情報を与えるという先進県になり、他県からも見学、研修に来ていただけるような情報発信県としてなるように希望して、壇上からの質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯民生部長大見賢治君) 自閉症に関するお尋ねのうち、まず、自閉症の方々とその家族に対する支援体制についてでありますが、自閉症を初め障害のある方々には、乳幼児期、学齢期、成人期の、それぞれの段階に応じた適切な支援が必要であると考えております。県といたしましてはこれまで、知的障害児・者に対する福祉施策の中で療育指導や助言を初め、経済的支援、医療、施設対策等を講じてまいりましたが、自閉症児やその家族のみを対象とした施策を講ずるまでには至っておりません。  家族の方にとりましては、我が子が自閉症と診断されたことによるショックは大きく、障害を受容してそれに向き合うに至るまでには、さまざまな過程を経験されるわけでありますが、御指摘のように、その間の家族の心のケアも重要な課題であると認識いたしております。このため、今後は、関係機関が連携をし、自閉症児を抱える親の会の意見等もお聞きしながら、これからの進め方について研究してまいりたいと考えております。  次に、自閉症に関連して、コロニー中央病院の患者に対し、生活場面のある設備でTEACCHプログラムのような専門的な治療を行えないかという御質問でございますが、自閉症は、その特徴として、社会的相互作用の障害、コミュニケーションの障害、そして活動の制限があることの三点が挙げられ、また、みずからを傷つける自傷、他人に傷害を負わせる他害、それにパニックなどの行動障害を伴うことが多いと言われております。このため、コロニーの中央病院におきましては、患者と病院スタッフができるだけコミュニケーションを多くとれるように配慮し、本人の精神状態の安定に努めておりますが、自傷や他害のおそれの強い患者に限りましては、やむを得ず、二カ所持っておりますけれども、二カ所ある個室で対応することといたしております。  御指摘のありましたTEACCHプログラムは有効な方法ではないかということで、既に中央病院内で勉強会を実施しているのを初め、療育現場でございますはるひ台学園におきましても試行を行っておりまして、一定の成果を上げていると聞いております。  また、自閉症に対応できるスタッフの配置や診療日数の増につきましては、職員の増員を伴うということで、現時点においてはなかなか難しいと考えております。  なお、待ち時間の短縮につきましては、児童精神科の初診においては一人当たり約九十分を要しますし、他の科との複数受診ということもございまして、どうしても待ち時間が長くなる傾向があるわけでございますが、中央病院に設置されております運営改善委員会において、そうした点についても検討してまいりたいと思っております。  次に、自閉症の相談スタッフの養成についてであります。  現在のところ、県内八カ所の児童相談所と知的障害者更生相談所には自閉症専門のスタッフはいないものの、心理判定員や児童福祉司が中心となりまして、自閉症相談にも応じております。  自閉症に係る療育指導や相談により一層適切に対応するため、本年度は、愛知県福祉人材センターの行っております障害者福祉施設主任職員研修や社会福祉・医療事業団主催の自閉症療育教室に児童相談所とコロニーの職員が参加をいたしまして、お示しのTEACCHプログラムを学んでおりますので、今後も、こういった研修機会を活用して、各相談所やコロニーの職員の資質向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、発達障害研究所での自閉症に関する研究成果と県民への還元についてのお尋ねでございますが、研究所では、自閉症の発生原因、出現頻度、医学的治療法、教育法及び地域における福祉について研究をしておりまして、その研究成果として、これまで五十三の論文を学会誌や研究誌に発表をいたしております。  また、これらの研究成果のうち、療育に関するものにつきましては、県内の養護学校や特殊学級の教員研修、あるいは自閉症児・者の保護者の方々の勉強会における講演などを通じまして普及を図っているところであります。  次に、今日まで家庭・社会復帰した者は何人中何人いたかとの御質問でございますが、自閉症の方々も入所しておられます知的障害児施設はるひ台学園と知的障害者更生施設養楽荘の二つの施設では、開所以来入所された方が千二十五人おられまして、このうち、家庭へ戻られた方が三百六十二人、就職された方は十三人となっております。  以上であります。 5: ◯教育長伊藤廉君) 自閉症の子供たちに対する教員の対応についてでございます。  教員に対しまして、人の心の痛みがわかっていない人が教員になっているのではないか、あるいは教員の何げない一言が子供や保護者を傷つけていることの自覚もない教員がいるのではないかという意見が出されていることを、教員自身が真摯に受けとめなければならないと、機会あるごとに教育関係者に申し上げてきたところでございますが、とりわけ、何らかの障害のある子供たちを健やかにはぐくんでいくためには、何よりも直接接触します教員の自覚や姿勢が問われているものと考えております。  ただいま、人間として許せない発言をする教師がいるとの御指摘を伺い、まずもって、教員に人間としてふさわしい人格と専門的な知識を身につけさせるとともに、子供をしっかり理解できる教員のさらなる育成を図ることの必要性を改めて感じた次第でございます。  学校におきましては、校長のリーダーシップのもと全校体制で特殊学級の子供を指導するために、現職教育の充実を図るよう指導してきたところでございますが、県教育委員会としましても御指摘の点をも踏まえ、各方面からの助言をいただきながら、教員に対する研修を的確に実施することなどによりまして、自閉症の教育に反映していきたいというふうに考えております。  次に、TEACCHプログラムに関連しての、特殊教育の手法についての質問でございます。  自閉症児の子供たちへの指導で大切なことは、子供が落ちついて楽しい学校生活が送れるような温かい雰囲気をつくることに努めながら、御指摘のように、教員が自閉症に対する専門的なしっかりした知識と理解力を持ち、個別のニーズに対応した指導目標や指導計画を立て、きめ細かな指導を行い、その達成状況を評価することが大切であるということは、もう申すまでもないと思います。  本県ではこれまでも、自閉症の子供に対しましては、自閉児教育担当教員研修会において実践発表や講演会を行い、教員が情報を交換、共有し、専門的な知識を身につけるよう努力してきたつもりでございますが、今後、御指摘のTEACCHプログラムにつきましては、専門家を初め関係者の指導を受けながら研究を進め、本県の自閉症児の教育にどのように活用されるかなども検討し、取り組めるものは積極的に対応してまいりたいと考えております。 6: ◯労働部長長谷川信義君) 自閉症の方々の就労に関します二つの御質問でございます。  まず第一点の、自閉症の方の職場での適応を手助けする制度、これ、いわゆるジョブコーチ制度でございますが、これを設けたらどうかということでございます。  ちょうど国におきましては来年度から、これ、二年間のパイロット事業ということでございますが、そのジョブコーチ制度の設置について調査検討したいとしております。  その中身は、知的障害者あるいは精神障害者等の障害者で、ほかの人との円滑なコミュニケーションが難しい方々に対して、就職先にそのジョブコーチを派遣いたしまして、専門的な人的援助を行うものでありまして、そのあり方について総合的に検討したいとしております。その検討結果を踏まえまして、県としても、対応できるものにつきましては積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  二点目の、自閉症の方々の一般企業への雇用の促進に向けた取り組みについてのお尋ねでございますが、とりわけこうした方々は職場環境などにおいておのずと条件がございますので、国とも十分連絡をとりながら、まず何よりも企業あるいは企業主に対しまして雇用の理解を深めるよう求めていきたいと考えておりますし、せっかく各種の助成金がありますので、その活用を促すなどいたしまして、雇用の促進に努めてまいりたいと考えております。 7: ◯知事神田真秋君) 自閉症に関してさまざま御質問をいただきました。家族の方々の御心労はいかばかりかと推察いたします。とりわけ最近、児童相談所にも、事自閉症の御相談が大変ふえておりまして、それを見るだけに、御家族の御心労、本当に切実なものがあろうと存じます。  さて、こうした自閉症は正しく理解されてないと、また、知識も持ち合わせてないということで、無理解が多くの悲劇を呼んでいると、きょう、こうしたお話がありました。まず何よりも理解することが第一歩であると、こういう御指摘であったと思います。所管するさまざまな施設、そうした観点での正確な知識を持つことがまず大切だということを認識してまいりたいと存じております。  さて、今後のコロニーのあり方でありますけれども、きょういろいろと御指摘いただいた点は、現場にもきちんと伝えてまいりたいと思っておるところであります。また、御高承のとおり、国の社会福祉基礎構造改革というものがこれから出てまいりますので、そうしたものを十分頭に置きながら、障害をお持ちの皆様方のニーズをきちんと把握して、よりそうしたニーズにこたえられるような体制づくりをしてまいりたいと思っているところであります。  また、きょうは、TEACCHプログラムについての御指摘もございました。先ほど部長がお答え申し上げましたとおり、既に勉強会や療育での試行を始めているところであります。今後は、こうした結果を踏まえまして、実践に向けた検討を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 8: ◯九番(可児茂久君) 知事を初め皆さんの前向きな答弁と、私は受けとめました。  そこで、知事の発言の中で、ソフトに力を入れ、スピーディーで大胆な発想の改革に今後努めるということがこれまでも何度か述べられております。ぜひともここで、こうしている間でも、障害を持った人の中でいわれのない無理解の中で生活をしている人もたくさんいます。どうか行政の中でも社会の中でも、正しい理解と認知を持っていただけるよう、TEACCHプログラム等を活用して早急な対応を期待をするとともに、また、コロニーを訪ねたときに、こういったことも言われたことがあります。  職員の方から言われたことでありますが、コロニーは、三十年前に有名な建築家の設計でつくられました。外から見るとすばらしい形です。しかし、入所者にとっても、職員にとっても不便なんですと言われました。昨日の知事の答弁の中で、コロニーも三十年たって老朽化が進んでいるので、財政状況をかんがみ、建てかえを考えたいとありました。ぜひともそのときには、療育というソフト面と一緒になった統一的な施設になるよう、他の施設のよいところは積極的に取り入れていただき、専門家等の多くの意見と知識の中、入所者にとって有効な成果が期待できるような施設になるよう要望をさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。 9: ◯議長神戸昭治君) 進行いたします。  大竹正人君。     [二十一番大竹正人君登壇](拍手) 10: ◯二十一番(大竹正人君) それでは、議長の発言許可をいただきましたので、通告をさせていただきました二点について質問をさせていただきます。  まず第一として、「新世紀へ飛躍~愛知二〇一〇計画」について、特に三河港の港湾行政と今後について質問をさせていただきます。  この質問は、昨年の二月議会から、我が党の小林功議員や小久保議員、そして六月議会に小久保議員、九月議会には鈴木孝昌議員、そして十一月議会には伊藤忠彦議員から各質問をされました。毎議会の質問であります。それほど重要な事業と思っております。「愛知二〇一〇計画」の中で中部国際空港、名古屋港臨空型の機能ゾーン、三河港を国際複合機能ゾーンとしての位置づけから問題点を指摘、整備の推進への要望がされてまいりました。  それらの質問の内容は、三河港港湾区域内の開発と環境保全についての諸問題、そして特定重要港湾の早期指定、中山水道航路のしゅんせつと豊橋・蒲郡航路のしゅんせつ、アクセス道路の問題、臨港道路東三河臨海線、企業立地などからポートセールをしっかりしてほしい、国際自動車コンプレックス、三河港のコンテナ化、海洋の水質浄化の問題、そしてアメリカズカップの問題、そして、土木部港湾課に港湾局設置を要望するなどの質問でありました。  毎議会、名古屋港、衣浦港、三河港関連についても質問されておるわけでありますが、私は、以下の質問をさせていただきます。  先々月の一月の二十一日に神田知事御出席の中で、「国際自動車港湾シンポジウム2000IN豊橋」が開催をされました。運輸省顧問の黒野匡彦氏の基調講演と、その後、パネルディスカッションが開かれたわけでありますが、この中に、今年度質問をされた諸問題がほとんどすべて入っておりました。  講演では、三河港の優位点が数多く述べられました。まず、日本のほぼ中央である。東海道新幹線と東名高速道路が並走する陸上交通の要衝であること、相対的に地価の安いこと、温暖な気候であることなど、いろいろ述べられておりました。  問題点は、自動車海上輸送が、量、質の両面がこれからどのように変化していくかを考えなくてはいけない。基礎的なテーマとして、輸送量が世界全体で一九八〇年代には七百三十万台をピークに、減少が続いてまいりましたが、一九九四年の六百万台を底に、一九九七年には七百万台まで回復をし、その七百万台のうちに、日本からの発が四百五十五万台で、対前年度比二三%増加しているということでありました。しかし、一九九八年、日本のメーカーは海外で現地生産をしております五百八十万で、輸出が四百五十万台、輸出を大幅に上回る現地生産をしていることになります。これも一つの今後の問題になる。  次に、港湾の建設資金の問題であります。利用者からの回収、そして税金の投入など、国、各自治体の財政が厳しい中ではありますけれども、それらが、この三河港にとってはしゅんせつのおくれにもつながっております。財政状況が厳しい中、今後は、PFIなど公的部門へ民間資本の導入が必要になってくるということもありました。  次に、港湾管理、港湾経営など港湾マネジメントを見直す必要があると。港の建設管理、船舶の航行、税関、入国管理、水先業務、積み出しの荷役などが別々に管理されている点も指摘をして、挙げられておりました。  次に、アクセス道路の問題であります。港湾を生かすも殺すも、アクセス次第と言われていました。  次に、地域と港の関係について、市民からいろいろな問題が指摘をされるだろう。輸送の大型化、排気ガス、騒音、交通渋滞など迷惑施設の一つにならないように、それらの対応が必要だと言われておりました。そこで、臨港道路東三河臨海線を含め、東名豊川インター、東名音羽蒲郡インターなどのアクセスへの早期完成が必要だということであります。  ちょうど一年後、運輸省と建設省が統合し国土交通省に生まれ変わることで、港湾と道路の整合性のとれた整備が進められるだろうというふうに予想もされております。  さらなる広域港へ、名古屋港、衣浦港を加え広域港として、二十四時間対応できるようなそういうハブ港、コスト削減、発注から自動車の納入までリードタイムをビッグスリーに近づけることなど、いろいろ言われておりました。そして、それらにふさわしい水深の安定確保、そして港と鉄道のペアの必要性も言われておりました。  シンポジウムでも、道路網の整備として第二東名、そして三遠南信道路、空港へのアクセスを整備し、自動車パーツなどの空輸を三河港に運ぶことなども重要である。港湾設備とサービス、海外拠点との連携などが提言をされておりました。  これらシンポジウムを聞かれ、知事並びに県当局は、将来の三河港を考え、これらを予算にどのように反映されたのか。また、どのように対応を考えておられるのか、お聞きをさせていただきます。  昨年の六月補正で、地元県議、財界、行政と陳情の中で、その陳情を受けていただいて、航路しゅんせつの予算をつけていただきました。そして今回、しゅんせつ費用を一億一千万つけて計上していただき、早急な予算対応に対し感謝をさせていただくところではありますが、しかし、中山水道の完了十六年、あわせて航路しゅんせつ完了十六年までにできるのかどうか、少し不安が残ります。  次に、特定重要港湾と三河湾地域リゾート整備構想とのすみ分けについてお尋ねをいたします。  三河港の蒲郡周辺には、運輸省のポートルネッサンス21計画を初め、蒲郡市民会館前のインナーハーバー、そして犬飼港、東港、形原漁港、三谷漁港、そして大塚ラグーナ蒲郡、海陽ヨットハーバー、御津マリーナなどが立地または計画予定をされております。  平成九年十月二十四日、港則法による特定港として三河港が指定を受け、航路の横断や運航に規制がされました。特定重要港湾指定に向けて、三河港のグレードアップをするために最大限の努力をお願いするとともに、議会も陳情活動をする必要があるとは考えておりますが、三河港の中でのリゾート整備構想やマリンスポーツへの影響はいかがなことでしょうか。蒲郡は毎年、日本でも有数の参加数を誇るエリカカップヨットレースが開かれます。そして、数多くのヨットレースが開かれるわけでありますが、これらヘの影響はないのでしょうか。多少規制されるところはあるとは思いますが、特定重要港湾との網かけの影響とリゾート整備計画のすみ分けについてはいかがでしょうか。  次に、昨日夜から本日の朝にかけ、テレビ、新聞報道に出ておりますが、アメリカズカップでニュージーランドが優勝いたしました。アメリカズカップとマリンスポーツの育成についてお尋ねをいたします。  一九八七年四月にシンジケート・ニッポンチャレンジチームが発足をされました。一九八八年に蒲郡にベースキャンプが設置をされ、その年に二十七回目のアメリカズカップがアメリカのサンディエゴで開催をされました。ニッポンチャレンジは、一九九二年の第二十八回のアメリカズカップに挑戦をいたしました。そして、一九九五年、二十九回アメリカズカップに出ました。そして本年、二〇〇〇年の第三十回アメリカズカップ、すべて実はセミファイナルでベストフォーでありまして、決勝ラウンドに進むことはできませんでした。  ニュースでも放映をされておりましたが、ニュージーランドのブラックマジックチームが五連勝ということで、イタリア・プラダチームに快勝をいたしました。よって、四年後には、同じニュージーランド・オークランドで開催が予想されております。  トヨタ自動車の現地子会社トヨタニュージーランドがニュージーランドチームを支援をしておりますので、会長の山崎さんとともにいろんな話がされているとは思いますが、その中で、昨日の朝日新聞にも、インターネットのところにも出ておったわけでありますが、二〇〇二年に蒲郡市で遠征、親善試合も計画にあると出ておりました。  ニッポンチャレンジチームの山崎会長は、敗北をしたと同時に、次にもう一度アメリカズカップにチャレンジしたいというコメントを出しておられます。そして、アメリカズカップに勝利をするためには、その対策として、日本に帰って、もう一度ヨットマンの育成が不可欠であるというふうに言っております。そこで、ヨットマンの育成となると、蒲郡にある海陽ヨットハーバーの有効活用が必要になってくると思います。  そこで、幾つか質問をさせていただきます。  海の町・蒲郡には、愛知県、蒲郡市の御理解の中、マリンスポーツ、プレジャーボートの管理育成など十二分な対応もしていただいておるところであります。特に、障害者のヨットチームがヨットエードジャパンとして活動ができる場所を設けていただいたり、また、それらには浮き桟橋などの予算をつけていただいておるところでありますので、感謝はしているわけでありますが、しかし、ここでお聞きをしたいのは、海陽ヨットハーバーの利用率であります。  現在、艇庫に百艇、外に七百艇の収容能力があるわけでありますが、現実は、夏場にたった三〇%の収容率であります。せっかくの施設であります。わかしゃち国体の後、次の国体までは四十数年間、この地で国体が開かれることはありません。今後利用率を上げるためにはどのような方策を考えておるのでしょうか。  常滑の鬼崎にある大学のヨット部が、新空港の建設のために練習水域がとれずに練習不可能になるということで、各大学のヨットクラブの移転先として、現在、蒲郡のヨットハーバー周辺の移転が考えられております。七、八校が移転を考えておるようであります。ヨットハーバーの有効利用にもつながると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。ぜひ愛知県ヨット連盟への支援体制をお願いするところであります。  また、ヨットマンの育成ということで、高校、大学ヨット部並びにジュニアの育成と支援をぜひとも、御理解をいただきお願いしたいところではありますが、その点はどのようになっているのでしょうか。  ことしは、岐阜国体のヨット会場が蒲郡海陽ヨットハーバーで開催をされます。二〇〇二年からの学校週五日制が実施されるなど、学校教育、社会教育の立場から、クラブ活動やジュニアや、高校、大学への支援が必要になってくると思いますが、いかがでしょうか。現在の支援をどのように考えているのか。  また、今までに海の甲子園構想や、オリンピックに勝つ選手を育成するためにナショナルトレーニングスポーツセンター構想などいろいろと言われておりました。いま一度、県の御支援を期待するところであります。  次に、二番目の問題といたしまして、中部国際空港へ東三河からのアクセス道路についてお尋ねをいたします。  アクセス道路については、先日、一月の二十日の中部国際空港特別委員会で報告がありました。説明後、お話を聞いたわけでありますが、六十キロ圏内に東三河や豊橋が入っている。奥三河や浜松からも中部新空港を利用したいという要望がありますが、浜松、豊橋からのアクセスはどのようになっているのでしょうか。
     今の状況では、現東名道路を使い一号線におりて百五十五号線を使ったり、知多横断道路で想定すると、約一時間十分から二時間かかってしまいます。少し渋滞をすれば二時間以上かかってしまいます。しかし、空港開港時までにはどのようになるのか。将来は、現東名から第二東名を使って知多横断道路ということで、約七十分ぐらいで到着できるのではないかというふうに答えておられましたが、これからさらに交通量がふえていく中で、東三河方面からの利便性を考えると、これらをどのように考えているのか。  ポイントは、今着手している名豊道路・二十三号線バイパスを早く整備をして、蒲郡からスムーズに入れるようにする必要もあります。ただ、名豊道路は名古屋に行くに従って、北へ、北へと曲がっていくので、将来構想の名浜道路を整備することが課題となってまいります。今後なるべくよいルートの検討を進めるということでありましたが、いつごろになるのかがまた心配であります。  県議会の中部空港特別委員会で、平成八年、平成十年会議録を見せていただきました。その中で海上ルートの話が出ておりました。私も、伊勢湾対岸だけでなく、渥美、豊橋、蒲郡からの海上ルートも考えてはどうかと思いましたが、なかなか難しい問題にぶつかっております。名鉄海上にも聞いてまいりました。料金的な問題、採算性の問題、時間の問題、その他があるようであります。  ということは、海上ルートが難しいということは、最終的には道路や鉄道しか対応できないわけであります。現在一番便利な計画とされているのは名浜道路でありますが、名浜道路ルートを含め、このようなことに対してはどのように考えておられるのか。現在のルートでは、衣浦蒲郡線が最短であります。衣浦トンネルや知多横断道路の整備を早急にお願いをするところであります。  そして、もう一つのルートが名豊道路であります。その中でおくれているのが蒲郡工区であります。平成二年の七月の蒲郡地区の説明会のときに、相互の意見の若干の食い違い、考えが相手に理解されていないという部分で問題点が残っております。そのために、現在、蒲郡工区の坂本地区で測量に応じていただけない状況であります。  先日、蒲郡市と地元の市会議員と、そして私とで説明会に出させていただきました。反対理由に、坂本にとってはメリットのない道路である。騒音問題、排気ガス、なぜこのルートになったのかなど、いろいろな問題が出ておりました。特に、この地域は蒲郡だけでなく、全国でも有数のハウスミカンの産地であります。高さ二十五メートルの高架橋が南側にできれば、日照時間が減り、ミカンの生産に影響が出るということでありました。  ハウスミカンは、通常、十月、十一月に加温をします。それから一カ月ちょっと、三十五日か四十日ぐらいで花がつくわけでありますが、この時期は冬至の時期であります。日照不足はここが一番致命的になるところであります。味、量、色などに大きな影響が出る。また、最悪の状態は、花が落ちて、生産ができなくなるということも言われております。この点についてはいかがでしょう。  幸い、隣にミカンの研究をしている農業総合試験場の蒲郡支所があります。今後の栽培の技術的問題について、また対応について相談に乗っていただきたいと思うわけでありますが、農業水産部長にお尋ねをいたします。  地元の反対があればあるほど、その地区の要望を聞き、それらに対応していただければ、必ず地権者の御理解はいただけると思います。地域住民の言葉に耳を傾けていただくこと、ハウスミカンに影響が出るなら移転補償も考えていただけるよう、国に対し愛知県からもお願いをしていただくことができないか、お伺いをいたします。  以上で壇上での質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 11: ◯土木部長竹内義人君) まず、三河港の諸問題と新年度予算についてのお尋ねでございますが、平成十二年度予算におきましては、財政事情大変厳しい折ではございますが、三河港につきましては、神野西ふ頭の水深十二メートルの多目的大型岸壁の整備、港内の航路しゅんせつ及び中山水道のしゅんせつ土砂を利用いたしました水質浄化対策等を重点に、事業を実施してまいりたいと考えておるところでございます。  また、このほか、三河港に関します課題といたしましては、三河港港湾計画におきまして港湾産業基盤の拡充、海洋性レクリエーション需要への対応、海洋環境の整備、臨港道路等アクセスの改善等が掲げられておりまして、それらの課題を重点に、さらに三河港の整備を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  なお、三河港の航路しゅんせつにつきましては、議員の御指摘のとおり、昨年六月補正におきまして特に予算計上をさせていただいて事業を始めたところでございますが、中山水道航路のしゅんせつとの関係もございますことから、これが早期に完成できますよう最善の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。よろしくお願い申し上げます。  次に、特定重要港湾とリゾート整備計画との関係についてのお尋ねでございますが、まず、特定重要港湾の指定につきましては、現在、港湾法の改正が国会に提出をされているところでございますが、その指定につきましてはさまざまな要件がございますので、三河港に関しますそれらの課題につきまして、今後十分に検討してまいりたいと考えているところでございます。  また、三河港におきますプレジャーボートの取り扱いにつきましては、三河港港湾計画等におきまして物流ゾーンとレクリエーションゾーンをすみ分けた計画といたしておりますことから、また、港則法、港則法ですね、港則法上では、特定重要港湾と重要港湾の区別を設けておりませんので、仮に特定重要港湾となったといたしましても、それぞれの各船舶が海上交通の法規を遵守して航行していただければ、大きな支障はないというふうに考えております。  次に、海陽ヨットハーバーの有効利用に関するお尋ねでございますが、海陽ヨットハーバーの利用促進策といたしましては、平成五年の供用開始以来、年間三十二回にわたりますヨット教室の開催、また、全日本級を初めといたします二十八のヨットレース大会の開催など、その利用促進に努力をしてまいったところでございますが、さらに、議員御指摘のとおり、来年度におきましては、県内七つの大学のヨットクラブが利用を開始、海陽ヨットハーバーで利用を開始いたします。また、夏には岐阜国体のヨット会場となるといったようなこともありまして、さらなる利用促進が図られることとなっております。  今後とも、蒲郡市を初めといたします地元の協力、支援を得ながら、さらなる利用促進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  次に、東三河から中部国際空港に行きますアクセス道路についての御質問でございますが、まず、名浜道路につきましては、議員御指摘のとおり、三河方面から新空港へ至りますアクセスの将来的なネットワークとして大変重要な道路でございます。それで、平成十年六月に地域高規格道路の計画路線として位置づけをされたところでございます。  現在、建設省と調整を図りながら調査を進めておるところでございますが、常滑から蒲郡に至ります大変大規模な道路でございまして、関係する市町も多数ございますことから、現在、ルートや整備手法などさまざまな課題につきまして、関係市町や関係機関と御相談をいたしているところでございまして、できるだけ早い時期に計画を固めてまいりたいと考えておるところでございます。  引き続きまして、名豊道路の蒲郡バイパスの建設に伴いまして、ハウスミカンの問題に関する御質問でございます。  蒲郡バイパスの地元説明会におきまして、議員御指摘のような問題が出されていることは十分に承知をいたしているところでございます。そのような問題につきまして事業者におきまして適切な対応がなされるよう、建設省に対しまして十分に伝えてまいりますとともに、このバイパスが地域にとりまして極めて重要な路線であることから、県といたしましても、その整備促進になお一層努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  以上でございます。 12: ◯教育長伊藤廉君) ヨット競技を親しむ青少年に対する本県の支援についてでございます。  土木部長からも答弁がございましたが、本年、平成十二年度の全国高等学校総合体育大会、いわゆるインターハイでございますが、岐阜県で開催されることになりましたが、海陽ヨットハーバーは全国屈指の施設と環境に恵まれていることから、ヨット競技会については蒲郡市で実施することになったところでございます。  本県といたしましては、蒲郡市の全面的な協力を得ましてこのヨット競技大会を大いに盛り上げ、県民のスポーツに対する意識の高揚を図るため、選手強化やさまざまな準備をし、大会を円滑に進めるための予算計上につきましても、二月、この二月県議会にお願いしているところでございます。  ヨットは大海原の中での競技でございまして、自然の厳しさや苦しさを乗り越え、ヨットを自由に操作する楽しさを身につけることは、青少年の健全育成を図る上でも大変有意義、意義深いものであると考えておりまして、県といたしましては、高校生はもとより、一般、大学生等が加盟しております県ヨット連盟に対しまして、将来の有望なヨットマンの育成を図るため、ジュニアを含めました国体候補選手の強化等の事業に積極的に支援しているところでございますが、今後とも、ヨットの普及、振興に努めてまいりたいと考えております。 13: ◯農業水産部長岩月邦彦君) 日照不足がミカンに与える影響についてでありますが、日照量、日照時間などの気象条件や地形、樹齢、樹勢──木の勢いでございますが、それによっても違ってまいります。しかし、一般的に、ミカンは日照不足になりますと樹勢が弱って収量が減少したり、糖度不足や色つきが悪くなり、品質に影響が出ると言われております。  今後、農家から栽培技術についての御相談があれば、既存のデータなどを参考にしながら対応してまいりたいと考えております。 14: ◯知事神田真秋君) 三河港でございますが、自動車の輸入では平成五年から、また、輸入輸出両面では平成十年から日本一になっております。また、総外国貿易額でも、平成十一年では全国で七位という状況でございまして、愛知県は言うに及ばず、全国的に見ましても、大変重要な役割を果たしている状況であります。  そこで、県といたしましても、これまで国際物流に対応する大型岸壁の整備あるいは中山水道のしゅんせつ、港湾物流のための臨港道路あるいは海洋性のレクリエーション施設の整備など、多角的に、積極的に進めてきたところでございますが、これは今後も引き続き、港湾機能の充実、あるいはそれが地域振興につながるように、さらには環境の改善につながるように、総合的に、しかもバランスよく進めていかなければならないと思っておりまして、こういうものが地域の発展と生活の向上につながるよう努めてまいりたいと思っております。 15: ◯二十一番(大竹正人君) それでは、ただいまは知事並びに各部長から御答弁をいただいたところでありますが、私は、要望と一点再質問をさせていただきます。  まずは、港湾について、特定重要港湾については七項目の基準があるわけでありますが、三河港についてはこれらを、私は、すべて解決されておるということの中で、しゅんせつの問題、アクセスの問題、いろいろあると思いますけれども、ぜひとも早急なる実現をお願いをするところであります。  そして、アメリカズカップのニッポンチャレンジが今後どうなるのか。蒲郡でまたベースキャンプを開催をしていただけると思いますが、二〇〇二年にも、ニュージーランドチームが遠征に来る可能性もある。そういうことの中で、ぜひとも県には温かい御支援をいただきますように、この場でお願いをしておくところであります。  と同時に、ヨットマンの育成。ヨットハーバーの利用率が、夏場三〇%、冬はもっと少ないわけでありまして、せっかくあれだけ立派なハーバーをつくりましたので、それが三〇%台では少し寂しいかな。最低でも合格点は五十一点でありますので、せめてその五十一点以上に利用率を上げていただくようにお願いいたします。  そして、中部新空港への道路アクセス。今、名古屋空港まで東三河から一時間ちょっとで行けるわけでありますが、そういう時間を少しでも減らす。それと比べて、中部新空港が二時間も三時間もかかってはたまりませんので、その点もぜひお願いをさせていただくところであります。  そして、再質問でありますが、名豊道路・蒲郡工区について再質問をさせていただきます。  この問題については、本来なら、実は農林水産委員会で十二月に、私、質問させていただきました。そして、その対応を即座に、岩月部長のもと、試験場を含めて地域の農家の皆さんと話し合いをしていただきました。本来なら、私の質問はここで終わって、あと、それを見守るのが私の仕事でありました。ところが、少し調査をさせていただくと、これは少しちゃんときちっとお願いをしておかにゃいかぬなというふうに思いました。  竹内部長は三河の出身でありまして、国にも精通をされておりますので、どうしてもここで竹内部長にお願いをしておきたい点があります。  平成二年の七月の説明会のときのことであります。このときに、いろいろ概要、計画概要が説明された後、地域の人から、日照問題で影響される場合は買収してくれるのか、また、それに対応してくれるのかという質問が投げかけられました。市の土地開発部の次長の答弁は、買収はできない。側道や本体工事の高架橋のところ以外は買収はできない。しかし、ミカンの産地ということは、地元の部長、十二分に次長は承知しておりますので、日照権に基準以下の影響が出るようなら、それに対しては考えさせていただかなくちゃならないかなという言葉、答弁をいただきました。  ところが、そのすぐ後に県の都市計画の方から、日照補償でございますが、この補償については建設省の基準に基づいておるわけでございますが、補償対象は人家だけということでございますので、念のために申し添えておきます。  蒲郡市の人と県の人の言うことが、ここで実は違ったんです。そして、国の人が、じゃ、どう答えたかというのを後で見てみますと、国の人は答えてないんです。  そうすると、地元の人は、この地区はそんなに大きな部落じゃありません。たった七十一軒の小さな部落であります。しかし、その中にはミカン農家の方は六十六軒おります。パーセントでいけば九二%以上であります。一人のミカン屋さんが生活ができなくなるかもしれない、そういう不安を持っておるときに、この部落は一丸となるのは当たり前でございまして、このすぐ後、平成三年の九月に、これではたまらぬから考え直してください、国に意見書を提出され、要望書を提出されました。  都市計画審議会で審議されたと思いますが、結果として、昨年の九月に、昨年の九月でありますよ、地元へ国、県、市が入りました。それは何のために入ったかというと、測量をやらせてくださいって入ったんです。地元の人は、まだ前の意見書のことが答えを聞いてないし、どういうルートなのかも聞いてないし、どういうふうな考えかも聞いてないと。そのときに用地測量させてくださいというでは、地元は納得できないです。  例えば、審議会で話をされたと思います。排気ガスの問題、これは基準以下でありましょう。騒音の問題、ここは夜十時過ぎになると、実は騒音はほぼゼロであります。そうすると、一種の住宅、定住住宅で四十五デシベル以下でありますので、この四十五でも、例えば四十五でも、この地区の人にとっては騒音となってしまうわけです。だから、それじゃ防音壁つくっていただけませんか。この平成二年の答えでは、防音壁は考えておりません。基準以下でありますので、大丈夫です。排気ガスの基準も大丈夫です。日照権の問題も、問題ありません。これでは、地元の方は納得できないわけであります。そういう思いの中で、今回、地元からもその地区の関連の、地区の総代さん、市会議員さんの方も傍聴に来ておられます。  そういう中、この地区は、二等辺三角形の底辺の一角から道路や排気ガスや騒音が山の方に向かって行きます、山で囲まれておりますので。夏は南風でありますので、この地域には排気ガスが充満をする可能性もあります。そういういろんなことを考えたときに、私は、地元にもっともっと適切な対応をしてもらう必要があったんではないのかな、このことを実は強く思って、特に、竹内部長は義理と人情の三河の人であります。そして、今回は、今回は、今議会のテーマはどうもだんご三兄弟であるようでありますが、私は、県と市とそして国が一本のくしでつながらなくては、私はこの事業はできないと思っております。  東三河にとっても、蒲郡にとっても大事な事業であります。私も、命がけでこの道路はつくらなくちゃいけない、こういう決意でおります。竹内部長の心ある御答弁を地元の人に聞かせていただいて、早急にこの道路が完成できますようにお願いをしまして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。 16: ◯土木部長竹内義人君) 蒲郡バイパスの件につきまして、再度土木部長の決意を述べよというお話でございます。  このような事業におきましては、地権者、関係者の皆様の御理解をいただくことが何よりも重要でございます。そのため、これまでも、地域の皆様の御理解をいただくようさまざまな話し合いをさせていただいてまいったわけでございますが、今後ともさらにお話し合いをさせていただきまして理解をいただきますよう、建設省はもとより、県といたしましても、この道路が地域にとりまして大変重要な道路であるという認識のもとに、私の出身が三河である、ないにかかわりませず、大変重要な路線であるということは、議員御指摘のとおりでございますので、そのような認識のもとに、地元蒲郡市とも連携をしながら最大限努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 17: ◯議長神戸昭治君) 進行いたします。  鬼頭英一君。     [六十九番鬼頭英一君登壇](拍手) 18: ◯六十九番(鬼頭英一君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして順次質問をしてまいります。  最初の質問は、環境問題についてお尋ねします。  まず、今日的な重要問題であります循環型社会に向けての取り組みについてお伺いします。  二十一世紀に向かう今日、地球温暖化のような地球規模の問題からダイオキシン汚染や身近な廃棄物問題に至るまで、環境問題は深刻な状況にあります。これは、高度成長時代に象徴される、二十世紀における経済的繁栄がもたらした大量生産・大量消費・大量廃棄型経済社会システムと密接にかかわっております。特に廃棄物処理に関しましては、大量の廃棄物が排出されている一方で、リサイクルが十分に行われていない結果、最終処分場の逼迫、不法投棄等さまざまな問題が発生しており、実効ある対策を講ずることが急務となっております。  去る十二月に報告されました県の平成十一年版環境白書によりますと、近年、埋め立て処分量は減少の傾向にあるとはいえ、廃棄物の排出量は、昭和五十九年度から平成六年度までの十年間に産業廃棄物が七百四万トンから一千九十七万トンに、一般廃棄物が二百七万トンから二百六十一・八万トンに増加しております。こうした大量の廃棄物を埋め立て処分場に依存してきたのがかつての姿ではないかと思います。しかし、現状において、新たな最終処分場の確保は適地の減少などにより年々厳しい状況となってきており、現在ある最終処分場の延命化で対応しようとするには、限界があるものと考えております。  こうした問題を解決していくためには、大量生産・大量消費・大量廃棄型経済社会からの転換を目指し、製造から流通、消費、廃棄に至るまでの過程で物質の効率的な利用やリサイクルを進め、最適生産・最適消費・最少廃棄型経済社会を構築することが不可欠と思われます。  この最適生産・最適消費・最少廃棄型経済社会の構築は、環境面からの必要性ばかりでなく、資源の多くを海外に依存している我が国にとって、持続的に発展していく上で不可欠であり、緊急に取り組まなければならない重要な課題であると考えるものであります。  さらに、廃棄物の焼却によるダイオキシンの年間排出量が平成十年度で我が国全体の排出量の約九割を占めている現状を踏まえますと、このダイオキシン問題の解決のためにも循環型社会を構築し、廃棄物の焼却を抑制する必要があります。  このように廃棄物処理問題は緊急の課題であることから、政府においては二〇〇〇年度を循環型社会元年と位置づけ、廃棄物の削減、リサイクル対策等の総合的、計画的な推進の基盤を確立するとともに、社会構造の転換に向けて法制化等の本格的な取り組みを進めていくこととされております。この循環型社会への流れは今や時代の要請であり、行政、事業者、県民すべてが循環型社会の構築を目指すという認識を持ってそれぞれの役割を果たすことが重要であり、この取り組みを進める上で、県の果たす役割も大きなものがあると考えるものであります。  そこでお伺いいたします。二十一世紀の持続的な発展を図るため、循環型社会の構築に向けまして、国の対策をまつまでもなく、県が積極的にリーダーシップを発揮して廃棄物の減量化やリサイクルの推進を市町村や事業者、県民と一体となって取り組み、できることから着実に実施していくことが必要であると思いますが、県としてどのように考えてみえるのか、お伺いいたします。  次に、地球温暖化対策についてお尋ねいたします。  一点目は、「あいちエコプラン21」の見直しについてお伺いします。  二酸化炭素等の温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化問題につきましては、予想される影響の大きさや深刻さから見て、まさに人類の生存基盤にかかわる最も深刻な環境問題の一つと言えます。このような地球温暖化問題に対して、県では、地球温暖化対策の基本計画となる「あいちエコプラン21」を全国に先駆け平成六年三月に策定され、事業者、県民、行政、それぞれが取り組むべき基本的方向や行動指針を示すなど、地域レベルでの地球温暖化対策の推進に積極的に取り組んでこられたところであります。  一方、平成九年十二月に開催された地球温暖化防止京都会議において京都議定書が採択され、我が国は、温室効果ガスの総排出量を二〇〇八年から二〇一二年までの間に一九九〇年レベルから六%削減することを世界に公約しました。そのため、国におきましては、この温室効果ガスの削減目標達成に向けて、我が国の地球温暖化対策の推進の枠組みなどを定めた地球温暖化対策の推進に関する法律を昨年四月に施行するなど、地球温暖化対策の推進を図っているところでありますが、本県においても、この法律の趣旨などを踏まえて一層の地球温暖化対策を進めるため、現在、このエコプランを見直し、新たな計画を策定中と聞いております。  そこでお尋ねします。地球温暖化問題は緊急を要する課題でありますが、本県ではいつまでにこの計画を策定されるのか、お伺いします。  また、地球温暖化問題の解決に当たっては、産・官・民が一体となって総力を挙げて取り組むことが必要不可欠であります。そのためには、策定される新しい計画の中に事業者や県民が取り組むべき対策をより具体的に示し、より実効性がある計画にすべきであると考えますが、どのような内容にされるのか、お伺いします。  二点目は、アイドリング・ストップの取り組みについてであります。  環境庁の調査によりますと、地球の温暖化を引き起こす二酸化炭素の日本全体の排出量は、一九九七年度には前年度に比べて〇・四%減少したものの、京都議定書の基準年であります一九九〇年度と比べてみますと九・四%増加しております。その主な排出源としましては、産業部門が四〇・一%、民生部門が二四・二%、運輸部門が二〇・九%となっております。また、部門別の伸び率は、全体の排出量が一九九七年度には前年度と比較して減少している中で、運輸部門は引き続き増加しており、車依存の社会構造が温暖化対策の実効性をおくらせている一つの原因と考えられます。  このように、地球温暖化を防止するためには、自動車交通対策は避けて通れない問題であり、各方面でさまざまな取り組みがされておりますが、中でも、アイドリング・ストップにつきましては燃料の節約につながり、地球温暖化防止として効果的であることから、積極的に推進していく必要があると考えております。  こうした中、国においては、昨年十一月に道路審議会から、温暖化防止に向けた自動車利用のあり方の見直しや効率的な自動車利用の実現などを内容とした道路政策の転換についての答申を得たところであります。また、平成七年四月には大気汚染防止法が改正され、自動車排気ガスの抑制にかかわる国民の努力義務を新たに設け、この一環として環境庁では、平成八年六月の環境月間を契機に、広く国民にアイドリング・ストップの普及啓発活動を展開していると聞いております。  このアイドリング・ストップにつきましては、環境庁の試算によれば、国内のすべての車が十分間アイドリング・ストップを実施した場合、年間で二百二十四万トンの二酸化炭素が削減できるとするなど、地球温暖化対策に効果的であることが示されております。  現在、アイドリング・ストップについては、兵庫県を初め十四の府県において条例に盛り込むなどの対応がされており、また、環境庁が実施しました自治体におけるアイドリング・ストップ運動への取り組み状況調査結果によりますと、全国の約三分の一の自治体が条例化の必要性を感じているとのことであります。  そこでお尋ねしますが、本県は、全国の中でも車の依存度の高い社会構造となっており、環境庁の調査によりますと、一九九〇年度の二酸化炭素の排出量が全国トップという中で、これまでアイドリング・ストップについてどのように取り組まれてきたのか、また、今後の取り組みについて、条例化を含めてどのように対応される予定か、お伺いします。  次に、障害者雇用についてお伺いします。  まず一点目は、障害者の解雇の状況についてであります。  最近の障害者雇用の状況を見ますと、障害者自身の自立意識の高まりと、ノーマライゼーションの理念の社会全体への浸透が相まって、雇用されている障害者数は着実に増加しておりますが、一方で、近年の厳しい雇用・失業情勢の中で、障害者の解雇数も増加してきております。  事業主は雇用している障害者を解雇した場合には、障害者の雇用の促進等に関する法律により、本人の責による解雇または天災地変などのやむを得ない理由のために事業の継続が不可能となったことにより解雇する場合を除いて、速やかに公共職業安定所長に届けなければならないこととなっております。こうした解雇の届け出があった場合、公共職業安定所長は速やかにその者に適した求人開拓や職業紹介等を積極的に行うなど、早期就職の促進に努めることとされております。  この法律に基づいて公共職業安定所長に届けられた解雇者数は、労働省のまとめによりますと、厳しい雇用・失業情勢の中で、障害者が会社の倒産やリストラにより離職を余儀なくされるケースがふえており、全国で平成九年度は二千九十一人、平成十年度は二千九百五十人、平成十一年度は四月から十二月までに千八百人となっております。  また、本県における障害者の解雇者数は、平成九年度五十二人であったものが、平成十年度には百十人と倍増しており、平成十一年度は四月から十二月までに七十五人となっており、若干落ちつきを見せてきたものの、依然として厳しい雇用環境にあります。  一方、障害者の求職者数は平成十一年三月末で全国で十一万五千八百四十八人と、前年の同月と比べて一万三千人増加しており、本県においても同様な傾向が見られ、今後の景気動向によっては、さらに障害者の雇用が厳しくなることが懸念されるところであります。  そこでお伺いします。本県における障害者の解雇が依然として厳しい状況にある現状をどのようにとらえておられるのでしょうか。  二点目は、障害者の雇用についての企業への働きかけについてであります。  障害者の社会参加の指数とも言うべき民間企業の実雇用率を見ますと、労働省の調査によれば、昨年六月一日現在の全国の民間企業の実雇用率は一・四九%と、法定の雇用率一・八%に対し〇・三一ポイント下回っており、米国やドイツ、フランスなど欧米諸国と比べて低い水準にあることがうかがえます。  平成十年七月一日から民間企業に義務づけられる法定雇用率が一・六%から一・八%に引き上げられたこともありまして、雇用率未達成企業の割合は全企業の五五・三%、特に、常用労働者数が千人以上の大企業に限っていえば、七七%の企業が雇用率未達成という状況になっております。  本県における障害者の実雇用率も全国と同水準になっており、五年前と比較しましても、わずか〇・〇三ポイントの上昇にとどまっており、法定雇用率にはほど遠い水準で、企業における障害者の雇用が余り進んでいない状況がうかがえるところであります。  障害者の法定雇用率は、常用労働者百人に対し一・八人の雇用、言いかえれば、従業員五十六人以上の企業に必ず一人以上雇用することが義務づけられているものでありますが、障害者の実雇用率は、大企業に比べますと中小企業の方が比較的高い傾向にありますことから、今後も、不況による中小企業の経営状態が障害者の解雇にも大きく影響していくものと推測され、障害者の方々が一般の労働者以上に厳しい雇用環境に置かれていくものと思われます。  そこでお伺いします。障害者の法定雇用率達成に向け、今後、企業等に対しどのような働きかけをしていかれるのか、お伺いします。  質問の最後は、新産業の創出育成についてお伺いします。  我が国経済は、過剰設備、過剰債務、過剰雇用という構造問題を抱え、企業のリストラと、増大する失業者の雇用確保が重要な課題となっております。こうした中、新規創業、ベンチャー企業は大きな雇用の受け皿となっており、事業所・企業統計調査によれば、平成八年に開設した民間の事業所数は全国で十九万三千、その従業者数は百四十四万七千人となっております。このうち、本県の開設事業所数は一万一千で、全国の六%弱を占め、本県の経済規模と比べますとやや少ないものの、これら事業所において七万七千人の雇用が創出されております。  政府においても、昨年七月に閣議決定された経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針において、近年開業率が四%程度と低い日本の状況を、一〇%を超えるアメリカのように、創業者、ベンチャー企業のチャレンジ精神が尊重され、数多くの成功者により新しい価値が創造される社会へと変革していくことを最重要課題の一つとしております。そして、政策面でも、今年度、創業者向けの無担保無保証制度の上限額を二千万円に引き上げ、さらに、設備近代化資金や小企業等経営改善資金の融資対象に新規創業者を追加するなど、積極的な対策が講じられております。  本県においても、新規開設事業所を現在の一万程度から年間二万程度に倍増する意気込みが必要ではないでしょうか。そして、新事業に挑む数多くのすそ野の広い意欲的な事業活動を底力として、個人や企業の多様性と独創性による経済活力を高めていくことが必要ではないかと考えるものであります。  また、そうした新しい事業者から世界に通じる国際競争力を持ったベンチャー企業、ひいては地域の中核企業を育成していくことが重要と思われます。  同時に、世界的な高度産業技術の集積を有する本県においては、ベンチャー企業とともに、既存産業において蓄積された技術、人材等の産業資源を生かし、さらなる高度化や情報通信などの新規成長分野への活発な展開を促進していくことが重要と考えます。そして、これらベンチャー企業等の新しいプレーヤーと既存産業の実績、実力のあるベテランプレーヤーが相互に刺激し合い連携できる場、さらに、学術研究機関や最近の相次ぐベンチャー投資ファンドの設立に見られる民間活動の盛り上がりも巻き込み、官民の多彩な力が結集できる新産業創出のネットワークが形成されていくことが、新世紀の産業発展の原動力となるものと考えます。  そこで、長期展望に立った雇用吸収力のある産業の育成を図るため、創業者、ベンチャー企業及び既存産業による新産業創出の促進について、本県はどのように取り組んでいかれるのかお伺いしまして、質問を終わります。(拍手) 19: ◯環境部長山下次樹君) まず、循環型社会構築へ向けた取り組みについてでございますが、環境負荷の少ない循環を基調とした社会を目指しまして、行政、事業者、県民が環境パートナーとして連携協力し、できることから着実にかつ積極的に取り組みを進めていくことが必要であると、御指摘のとおり、私もそのように考えます。  こうしたことから、県といたしましては、産業廃棄物の減量化、リサイクルに向けた事業者指導を引き続き一生懸命実施してまいります。  また、平成十二年度からは容器包装リサイクル法が全面施行されますので、市町村、県民と連携を密にしまして、一層の分別収集の促進を図るほか、ごみ減量化フェアなどの啓発事業も実施してまいります。  さらに、新たに十二年度から、行政、事業者、各界関係団体による合意のもとにごみ減量化やリサイクルの取り組み行動を「あいちエコルール」といたしまして、例えば流通分野とか、ホテル・旅館分野と、分野ごとにそのルールを定めまして、全県的な運動として展開してまいりたいと、このように考えております。  次に、地球温暖化対策地域推進計画の策定時期についてでございますが、現在鋭意策定に取り組んでおります。今年度中に「あいちエコプラン21」を見直すという形で、計画の策定をしてまいりたいと考えております。
     それから、その計画の内容についてでございますが、地球温暖化対策を推進するために、行政だけではなくて、県民、事業者などあらゆる主体が参加した幅広い取り組みが必要でございます。したがいまして、計画策定に当たりましては、県民や事業者の方々に対しアンケート調査などを実施するとともに、学識経験者を初め、産業界や消費者団体、NGOの代表など、幅広い分野の方々をメンバーといたしまして計画策定委員会を開催いたしまして、省エネルギーやリサイクルの推進方策、自動車の適正な利用方法などにつきまして、県民や事業者など各主体が自主的に行うべき行動をさまざまな観点から検討いたしております。  いずれにいたしましても、この検討結果を踏まえ、計画には、県民や事業者の方々が取り組むべき具体的な行動指針をきめ細かくお示ししまして、実効性のある計画を策定してまいりたいと考えております。  それから、アイドリング・ストップに関する取り組みについてでございます。  本県におきましては、地球温暖化防止や大気環境の改善を図る観点から、平成四年三月に「環境にやさしい自動車利用指針」を定めまして、自動車利用者に対しアイドリング・ストップの励行を呼びかけております。さらに、その取り組みの定着を図るため、昨年度から、団地、大規模店あるいは祭り会場、貨物運送業者の方々の総会の場といったところでアイドリング・ストップモデル事業を実施しまして、効果的な普及手法の検討を行っているところでございます。  また、この二月八日には、県民や運輸関係団体、関係行政機関など一堂に会しまして環境フォーラムを開催し、アイドリング・ストップを初めとしたエコドライブについて積極的に推進していくことといたしまして宣言文を採択するなど、人と環境に優しい健全な車社会を目指した取り組みを進めております。  いずれにいたしましても、アイドリング・ストップにつきましては、地球温暖化防止などに極めて有効な手段でございますので、こうした取り組みを今後とも積極的に進めてまいりますとともに、御質問にございました条例化につきましても、先進条例化県の状況、例えば条例の形式、新たに条例を設けるのか、既定の条例改正という対応をしておるのか、その規定の内容が、どういう内容を規定しておるのかといったようなこと、また、本県公害防止条例の現時点における見直すべき項目等いろいろ研究をしてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 20: ◯労働部長長谷川信義君) 障害者雇用に関します二つの御質問でございます。  議員御指摘のとおり、厳しい雇用情勢の中で障害者を取り巻く雇用環境も一層厳しくなっているという、今認識をしております。  一点目の、障害者が解雇される現状を、具体的な数字を挙げられまして、そうした現状をどのようにとらえているかとのお尋ねでございます。  障害者雇用におきましては、大変厳しい経営環境の中でありますが、どうしても障害者、職種、職域が限られるということもございますので、ぜひとも各事業主におかれては、何とか雇用維持にまず努めていただきたいというふうに考えておりまして、少なくとも障害者から解雇されるという考え方があってはならぬというふうに考えております。  不幸にして一たん離職されますと、障害者の再就職というのは極めて難しいということもございますので、公共職業安定所では、あらかじめ障害者職業相談員というのが設置されております。各企業を回りまして、できる限り雇用維持を図るようにお願い、努めているところでございます。  それから二点目に、この障害者の法定雇用達成率に向けた企業に対する働きかけについてのお尋ねでございますが、残念ながら、達成状況はいま一つ芳しくありません。未達成の企業に対しましては、直接企業訪問などによりまして障害者雇用率の達成指導や雇用協力要請につきまして、公共職業安定所の求人開拓の施策と一緒になりまして、積極的に実施したいと考えております。  また、離職されました方や新規学卒者を対象といたします障害者の就職面接会を、企業や国と協力いたしまして県内各地で開催いたしまして、企業にその採用の機会を提供するということもしたいと考えております。  さらに、先月でございますが、三百社近くの法定雇用率の未達成企業の人事担当責任者にお集まりをいただきまして障害者雇用セミナーを開催いたしまして、改めて雇用率アップを促したところでございます。  せっかく国や県には障害者雇用のための助成金制度も種々メニューがそろっておりますので、ぜひこういう制度も活用いただきまして、障害者雇用の一層の取り組みを、企業も御理解いただきますようにお願いをしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 21: ◯商工部長蔵元進君) 新産業の創出育成についての御質問でございます。  本県におきましては、昨年の三月でございますが、新産業創造プランを策定しまして、環境、情報通信、また医療・福祉といいました今後成長が期待される分野につきまして、新産業の創造を図っていくということとしておりまして、創造性あふれる中小企業やベンチャー企業、さらには経営革新に意欲的に取り組みます中小企業を積極的に支援していくことが必要だと考えております。  そのために、中小企業への支援体制をより効果的に整備いたしますために、本年四月から中小企業総合センターの中小企業支援機能を愛知県中小企業振興公社に移管、一元化いたしまして、また、身近な支援拠点として、県内七カ所の商工会議所、商工会に地域中小企業支援センターを設置するための予算措置を、現在お願いしているところでございます。また、あわせまして、既存産業の経営革新によります新事業分野への展開を促進するため、資金助成の強化等を内容とする予算措置をもお願いしているところでございます。  今後とも、中小企業が抱えます経営面、技術面等さまざまな問題解決に関係機関が連携をしまして支援をしていくと、そういうワンストップ・サービスの体制整備を図りまして、中小企業の多様性と活力を生かしました新産業の創出育成に努めていきたいと考えております。 22: ◯知事神田真秋君) 地球環境問題は、愛知県が環境基本計画として目指しております持続的に発展することが可能なあいち環境社会を形成するために、特に積極的に取り組まなければならない課題だと考えております。  地球環境問題は、オゾン層の破壊だとか、砂漠化だとか、酸性雨だとか、たくさんあるわけでありますけれども、きょう御質問で取り上げていただきました地球温暖化の問題が最も困難で、解決が難しい問題だと言われております。京都会議でも熱心に議論されたゆえんはそこにあります。  これは、原因者が幅広く、しかも、経済社会に深く根差していることにもよるわけでありまして、それだけに、この問題の解決のためには、民生、運輸、さらには産業などさまざまな部門の幅広い取り組みが必要になってくるものと考えております。  そこで、温室効果ガスの排出抑制を図るためには、愛知県地球温暖化対策地域推進計画を少しでも広く普及いたしまして、県民と事業者の皆様方、そして行政がよきパートナーシップを築いて一体となって、積極的に対応していかなければならない課題であろうと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 23: ◯六十九番(鬼頭英一君) 「愛知県環境基本計画」という愛知県が出されている本がございます。その中で私も、あっ、なかなかいいことが書いてあるなという箇所がございまして、ちょっと、そこだけちょっと読まさせていただいて、私の一、二要望とさせていただきたいと思います。  この中で、行政、事業者、県民が異なる立場から環境にかかわりながら、それぞれが環境からさまざまな恩恵を受ける一方で、環境に負荷を与えながら行動している。したがって、この解決には、何よりもまず各主体がこのことを自覚するとともに、地球環境を含めた環境の成り立ちや仕組み、環境の現状や変化などについて共通の理解を得ることが重要であると、こう書いてありまして、その後に、このような共通の理解を得るためには、この前提となる環境に関するさまざまな情報の共有化が不可欠であると、こう書いてあるわけです。  おっしゃるとおりで、この情報の共有化を促進するための行政の有する環境情報、そういったものをこれからまた積極的に公開しながら、さらに、それぞれの主体が持っている情報というものを、行政が間に入って相互に情報を交流するようなシステムの、そういった確立が求められると、そう記載をされております。  私は、この点を踏まえて要望申し上げたいのは、環境情報の共有化と、さまざまな意見を反映をするそういうシステムづくり、そういったものに行政はなお一層力を入れていただきたいということと、それから、先ほど何回も出ております行政、事業者、県民の連携の強化、こういったものも視点に置いていただいて、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  いろんな意味で環境を守るための御努力は、行政が先頭を切ってやられているというふうには思います。例えば公共の建物をつくるとき、ごみの減量化などを設計の段階から考えて、ごみを出させない設計、それから、そういうごみを出させない設計を建設業者から出させているそういうシステム、そういったものは、今まで環境部の方から建設部局等に働きかけをされておりますけれども、こういった働きかけも一層強くこれからも取り組んでいただきたいと思います。  例えば一例を挙げれば、こういうことでございます。いろんな部門で取り組まれていることをなお一層力を入れていただきたいと思います。  そして、アイドリング・ストップについてでございますが、ぜひとも、条例化の現実の制定に向けて研究を進められているということでございますので、ぜひともその研究を積極的に進められるよう要望をします。  以上で質問を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 24: ◯五番(吉川伸二君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     [「賛成」と呼ぶ者あり] 25: ◯議長神戸昭治君) 吉川伸二君の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] 26: ◯議長神戸昭治君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後零時二分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時二十一分開議 27: ◯副議長(柴田紘一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  田中志典君。     [四十四番田中志典君登壇](拍手) 28: ◯四十四番(田中志典君) 通告に従い、順次質問をしてまいりますが、私は、現場の小・中・高の先生方に会い、その意見を参考に、教育行政の諸問題について県教育委員会の基本的な考え方や取り組みについて問いたいと思います。  まず、ちょうどこれから行われる公立高校の入試制度、すなわち複合選抜制度についてであります。  御承知のとおり本県では平成元年の入学試験から、それまでの学校群制度を改め、複合選抜制を採用しています。その仕組みは、まず尾張と三河の二つに分け、居住学区内の一群か二群かのどちらかの群を選択、次に、その群内のAグループから一校、Bグループから一校の計二校を選び、どちらか一方を第一志望、他を第二志望とすることとしています。そして入試は、A、Bそれぞれのグループについて別日程、つまり二回実施されるわけであります。これに加えて推薦入試が一回と、一般入試後、定員に満たなかった高校での二次試験で一回の受験が可能であり、本県の公立高校の入試で最多四回のチャンスが受験生に与えられています。  この議場内におられる議員、理事者各位も、公立高校を受験された方々のほとんどがチャンスは一回しかなかったと思いますが、私をも含め、皆さんの当時のことを思えば、現在は受験の機会もふえ、一応受験生にとって恵まれた条件になったと言えるのであります。  ここで複合選抜に至るまでを振り返ってみますと、昭和四十七年の入試までずっと、単独校を一校受験する単独選抜制でありました。長年続いたため、学校の序列ができ上がり、それぞれが受験競争の激化を招くということで、昭和四十八年の入試から学校群制度が導入されたのであります。当然、学校間の格差を平準化しようという目的でありましたが、受験生が希望する学校に入学できないという欠点もありました。学校群制により、所期の目的は達成されたものの、受験生にとって入試そのものが一発勝負には変わりなく、受ける側の負担を軽減するために考え出されたのが複合選抜でありました。  この入試制度は、全国で愛知県が初めて導入し、他の都道府県から注目を集め、高い評価を得ることとなりました。一般入試において受験機会が複数回ある県は、平成元年度では本県だけでありましたが、現在では十一県に及ぶなど、愛知に倣うことになったのであります。どんな受験制度においても、完璧というのはありませんが、さまざまな方から意見を聞いても、おおむねよしとする発言が多く、全体的には成功していると言ってもいいのかもしれません。  しかし一方で、ことしの入試が十二回目となりますが、Aグループ、Bグループの入試日を平成六年に一度順番を逆にし、昨年からはまたもとに戻すという作業が行われたものの、群、グループの総入れかえが行われないために新たな問題点も発生してきております。  まず、郡部に起きやすい問題ではありますが、第一志望を決め、第二志望で合格可能な学校がない場合、学科を変えて受験しなければならなかったり、自宅から遠い学校や公共交通機関の不便な学校を受けなければならないという点であります。  また、定員割れを起こす学校など不人気校は、中学校側、受験生やその親、そして学校周辺の人以外、実態について余り知られていないかもしれませんが、実情は大変であります。そうしたいわば問題校は、学校付近の地域住民からも何とかならないものかと意見され、このまま放置していくわけにはいかなくなってきました。  私は、複合選抜制度の問題について、中学、高校の多くの先生方に尋ねてみましたが、制度そのものの見直しはともかくとして、問題校のある程度の解消を図るため、硬直化、マンネリ化を防ぐためにも、群とグループの組みかえをぜひ行ってほしいという多くの意見を耳にしました。  私は、制度をあれこれいじくることは受験生にとって余り好ましいことではないと思いますが、十二年というある程度の年数も経過したことと、問題点の是正のためにも、学校の総入れかえを行うべきだと思います。  そこで質問いたしますが、複合選抜制度において、群とグループの各学校の組み合わせを見直し、組みかえを行うべきという意見にどう対応されるのか、お伺いいたします。  次に、単位制による昼間定時制の高等学校について質問いたします。  単位制による昼間定時制高等学校は、現在県下に、名古屋市立中央高校、県立起工業高校、そして県立刈谷東高校の三校あり、ことしの四月には豊橋市立豊橋高校にも設置され、四校となります。単位制による昼間定時制高校では、生徒が学びたい授業を主体的に選択できること、そして、学年による教育課程の区分がなく、単位の積み重ねによって卒業できるといった特色があります。  尾西市にある県立起工業高校の昼間定時制は今年度からスタートしましたが、昨年行われた募集が二クラス、八十人に対し、百九名の希望者があり、合格者の中には、中学校三年間の欠席日数が五十日以上の生徒が二十九名、全体の三七%にもなると聞き、大変驚かされたのであります。入学した生徒は、最初の意欲が消えうせ、途中で学校に行かなくなってしまった人もあれば、同じ境遇とか理解し合える仲間だという安心感から学校に通える人もあるそうで、大体この二つのパターンに分かれるという話であります。  こうした情報はすぐ中学校に伝わることになりますが、生徒の側も、先生の側からも、進路の幅が広まり、選択肢もふえるということから、交通の便のよいところにもっとふやしてほしいと訴えられました。  本当は高校に行きたい、高校で勉強したい。けれど、中学校の段階で不登校や長期欠席が全日制高校に入学できない理由となった人、高校を途中で退学せざるを得なかった人、昼間働いて夜間の定時制に通うほどの気力もない人など、理由はさまざまとしても、今後、そうした生徒を受け入れる学校がますます必要になってくると思われます。  全日制よりは負担が少なく、気楽に通えるような学校の一つが単位制による昼間定時制高校になると予想されますが、昼間定時を私学が受け持つことは難しいとするならば、公が補い、期待にこたえるべきだと考えます。  幸いにして、生徒数の減少が見込まれ、空き教室もこれからふえてくれば、既存の公立高校で設置することは十分可能ということになります。今後、さまざまな生徒のために門戸を開き、機会を与えることはまことに重要なことで、設置をさらに積極的に推し進めていかなければならないと私は思います。  そこで伺いますが、単位制による昼間定時制高校を増設してほしいという声に対し、教育委員会はどのように取り組むつもりなのか、考え方をお示しいただきたいと思います。  次の質問に移ります。教員数削減に伴う新たな問題についてであります。  今議会においては、過去最大の職員定数の削減など、愛知県第三次行革大綱を前倒しし、実施による条例案が提出されています。教職員定数については、小学校の百二十一人、中学校の二百四十七人、高等学校の七十四人のそれぞれの減と、特殊学校は七人の増、合わせて四百三十五人の減員となっています。  先生の削減は、児童生徒の減少を理由に、ここ十四年にわたり進められてきましたが、財政難という理由も加わり、一層加速される形となりました。  先日、ある中学校を訪問した際、校長先生が、本校も日本の社会のように教員の高齢化が進んでいましてねと言われて、とてもびっくりいたしました。その学校は二十代の先生が一人もいないということであります。どうやらその学校だけでなく、大方どの学校も同じ状況にあり、部活動、とりわけ体育系を指導する先生が年々不足傾向にあると指摘を受け、さらに驚いてしまいました。  他方、財政難と先生の減少で、特殊学級を閉鎖してほしいと言われた学校もあるそうで、思わぬ影響がいろいろなところにあらわれ始めていることを知らされました。  教員数を減らすことは、本県財政のことを考えればやむを得ない措置かもしれませんが、教育の現場からすると、余り行き過ぎるのは決して好ましいこととは言えません。特に、小中学校で二十代の先生が極端に少ないことは、先生同士のバランスを欠き、学校運営においても支障を来すこととなり、非常勤講師で対応している現状を考えますと、ほかに何らかの対策も講ずる必要があると私は思います。  そこでお尋ねいたします。第三次行革大綱の推進は必要なことと認識しているものの、若年教員の不足など、学校現場のさまざまな状況を考えると、ただ機械的に教員の削減を行うことはいかがなものかと思います。教育長の御所見を伺いたいと思います。  また、これに関連して、部活動のあり方について質問をいたします。  部活動は、地域によって、あるいは学校によって、盛んかそうでないか、かなりの温度差があります。かつては、愛知の中学校で行われる部活動は全体的に過熱ぎみで、いろいろ批判も多かったのでありますが、最近では体育系、文科系とも徐々に勢いが衰えかけているというのであります。  これは、先ほど申し上げた先生の高齢化、指導者の不足という問題も影響しているという指摘もありますが、生徒側の意欲も少しずつ希薄になってきているという要因もあるそうであります。このことは高等学校においても同じことが言えるそうですが、もう一つの要因が、現在実施されています第二と第四の土曜日が休校になっていることを挙げる先生もありました。  だとすれば、問題は、二〇〇二年から実施される完全学校週五日制が引き金となり、部活動の存続が危惧されるという点であります。学校に熱心な指導をされる先生などがたくさんいれば心配はないのかもしれませんが、学校週五日制の実施によって、地域の受け皿として実情に応じたスポーツクラブなどが設置される動きが進んでくると、子供と親と、あるいは地域の人々の触れ合いの機会がふえることは望ましいとしながらも、リーダーの力いかんではそちらに生徒が流れる可能性も大きくなるわけであります。  また、当然週五日の部活動は確実に技能のレベル低下につながるおそれもあります。もし部活動がなくなるような事態になると、地域社会のクラブやサークルなどに積極的に参加する人ばかりであるならば、それはそれで問題ありませんが、地域にも受け皿がないとか、指導する人もいなくて、遠く離れた街まで通わなくてはならないようなケースが起きれば、子供も親も大変であります。  私ごとで恐縮ですが、中学、高校と野球部に所属し、真夏の炎天下、真冬の雪が降る中、毎日練習しました。何のために厳しい練習に耐え、野球を続けてきたのかと問われれば、野球が好きだったと答えるしかありませんが、大人になって、部活動を一生懸命やったことが大いに役立っていることは間違いありません。  十代の著しく成長する時期、無限にあふれ出るエネルギーを何かにぶつけることは人間形成にとっても有益なことでありますが、文科系、体育系を問わず、部活動の果たす役割ははかり知れないのであります。  議員、理事者の皆さんも、御自身の青春を何かに打ち込んでこられたことと存じますが、規律、言葉遣い、協調性、忍耐など、数え上げれば切りのない部活動の教育的意義を考えたとき、部活動の存続を望むのは私だけでありましょうか。  部活動はそもそも個人の自主性にゆだねるべきものであって、強制されるものではありませんが、今もう既に各学校で部活動の維持が問題になりつつあり、完全学校週五日制の実施によって状況が厳しくなるとすれば心配せざるを得ません。  そこでお尋ねいたしますが、教育委員会は、部活動の今後のあり方についてどうあるべきか、所見をお示しいただきたいと思います。  次に、本年一月に文部省から発表された学校教育法施行規則の改正について質問をいたします。  その主な改正内容は、民間人を校長や教頭に登用する道を開くこと、地域住民が学校運営に参画できる学校評議員制度を導入するということ、また、職員会議について、校長が主宰するものと初めて明記し、法的根拠を与えたことなどで、新年度から改正するものであります。このことは思い切った施策であり、実施に移されれば、日本の教育界全体に画期的な考え方や仕組みをつくることにつながることは間違いありません。  そこで、民間から学校長や教頭への起用についてと学校評議員制度の二点について伺いたいと思います。  まず、校長になるには、施行規則で、教員免許状を有し、五年以上教育に関する職務にあったことと規定されているのですが、今度の改正では、各教育委員会の判断により、教員免許状はなくても、教育に関し高い識見を有する者などを登用できることとするというのであります。  現実の教育現場では、当たり前のこととして、主事、主任、教頭を経て校長になるというレールが敷かれています。それは教員の世界だけでなく、日本の社会全体が下から順番に上に上がっていく道がごく自然なのであります。  しかし、近年、一般企業においても、人材の引っこ抜きや年功序列という考え方が崩れつつある中で、ともすれば硬直化しやすい教員の社会においても、教育界以外の民間から学校長や教頭が登用されることは、新しい学校のあり方としてまことに歓迎すべきことだと私は受けとめています。  今、日本じゅうの学校で、いじめや不登校を初めさまざまな問題を抱えていますが、子供たちも学校も、そして家庭も、みずからの力で解決することが難しくなってしまっています。私は以前より、教員採用については、広く社会からすぐれた人材を選択する採用方法をとるべきだと考えてきましたが、人生経験が豊富で、人の痛みや人情の機微も知り得るような人が学校のトップとして活躍すれば、対児童や生徒、対教師、対保護者に柔軟に対処し、多様な指導ができるのではないかと大いに期待をするのであります。  ただ、民間出身の校長や教頭が現場の先生方とうまくやれるのかとか、あるいは、リーダーシップが独走になりはしないかということなど、心配する面は多々あるかもしれません。個々の問題をクリアするとして、民間人を校長や教頭に登用すれば、既存の殻を破り、学校現場に新しい風を起こすことになりましょうし、新しい時代に対応できる学校づくりに大きな役割を果たすと思われます。  そこでお尋ねいたしますが、教育委員会はどのような姿勢で臨み、どう対応されるつもりなのかお伺いいたします。  また、このたびの学校教育法施行規則の改正では、学校の運営に関して定期的に地域住民の意見を聞く学校評議員制度を導入するとしています。学校評議員制度の創設は、法的に初めて地域住民が学校運営に参画することを規定したのであります。  その昔、学校は地域の中に溶け込み、地域の人たちと密接な関係にあったと思いますが、いつしか地域と隔離され、閉鎖的になってしまった感があります。今後、学校と地域のあり方として、地域に根差し、開かれた学校づくりを目指していかなければならないと思いますが、学校は、地域の方々ともっと交流し、地域から意見を聞き、努力する必要があると考えます。  また、今、その学校がどういう状態なのか、何に一生懸命取り組んでいるのか、学校側も積極的に情報を公開することによって、住民の学校に対する認識や意識が高まり、地域と学校の距離が縮まるものと信じるものであります。それらの努力によって、お互いが信頼し合い、連携し合って、住民と学校が一体となり教育環境を整えることが児童生徒の健全育成に資すると私は思います。  評議員の人選は、学校長の推薦により、各教育委員会が判断すると聞き及んでいますが、先生方に伺いますと、人事などの過度の要求がなければ、学校側に大きな味方が出現し、学校運営の後押しが期待できるという意見でありました。  そこでお伺いいたします。開かれた学校づくりを進める意味でも、学校評議員制度は積極的に取り組んでいく必要があると思いますが、県はどのように考え、どのような方向性を示すつもりなのかお尋ねいたします。  以上、教育行政について、今後取り組むべき諸課題の一端を述べてまいりましたが、新しい学校のあるべき姿を具体的に示していただける答弁でありますことを期待しまして、質問を終わります。(拍手) 29: ◯教育長伊藤廉君) 今日の教育行政の抱える重要な課題六点について御質問いただきました。順次お答え申し上げます。  まず、本県の複合選抜制度についてでございますが、子供たちが多くの学校の中から自分に合った学校を幅広く選択できるとともに、複数の受験機会があることを特徴としておりまして、他県におきましても、本県と同様の趣旨あるいは形態の制度を導入する府県も次第に見られるようになってきているところでございます。
     また、この制度の導入以来、学識経験者、中学校、高等学校の代表者、PTA関係者などで構成されます入学者選抜方法協議会におきましてさまざまな御意見をいただき、これまでにも、例えば推薦入学の定員枠の拡大あるいは英語のヒアリング検査を導入したりして改善を図っているところでございます。さらに毎年の募集計画におきましても、各学校の志願状況や欠員等に配慮するなどにより、募集定数に工夫をしているところでございます。  今後とも選抜方法の改善に努めることとしておりますが、御指摘の群、グループ内の学校の組みかえにつきましては、公立高校への進学を目指す生徒への影響も大きいことから、今後、中学校、高等学校の関係者など幅広い御意見を伺いながら、総合学科や単位制高等学校の増設など、将来の県立学校の望ましいあり方の検討を進める中で研究、対応してまいりたいと考えております。  次に、単位制による昼間定時制高等学校の増設についてでございます。  単位制による昼間定時制高等学校では、全日制とは異なり、一日の授業時間が四時間と少なく、ゆとりのある教育課程の中で、多様な選択科目の中から自分で科目を選択、そして授業を受けていくという特色を持っており、さまざまな個性や進路希望を持った生徒が入学してきており、一定の成果を上げているのではなかろうかと理解しております。  御指摘のとおり、本県におきましては平成二年度に初めての単位制による昼間定時制高等学校を刈谷東高等学校に設置しましたことに続きまして、本年度には起工業高等学校に設置いたし、また、岩倉高等学校には単位制による教育課程を持つ総合学科を設置したところでございます。さらに平成十二年度には、県が給与費を負担しております豊橋市立の、市立の豊橋高等学校に、昼間と夜間の単位制高等学校が設置されることとなっております。  今後につきましては、これからの変化の激しい時代を考えますと、総合学科や単位制高等学校なども含め、さまざまなタイプの学校を受け皿として用意することは重要な課題であり、責務と認識しております。  お尋ねの単位制による昼間定時制高等学校の設置につきましても、ここで学ぶ生徒の状況や今後の志願状況など、将来的なニーズを十分見きわめながら、全県的な視野に立って検討してまいりたいと考えております。  次に、教員定数の削減と学校現場への影響についてでございます。  平成十二年度の教職員定数につきましては、児童生徒数の減少に伴う定数減を計上する一方、大変厳しい財政状況下にはございますが、国の定数改善計画の完全実施を図るとともに、国の標準法定数を上回り本県独自に配置しているものの一部見直しを図る中で、教育現場への影響を最小限にとどめるよう配慮したつもりでございます。  こうした中で、御指摘のように児童生徒の急増等に対応しまして、昭和五十年代には一千人を超える新規教員を採用してきたところでありまして、現在では児童生徒の減少に伴い採用が少なくなっていることから、教員の年齢構成等にアンバランスが生じ、学校現場からさまざまな課題を抱えているというようなことも聞き、承知しております。  他の府県におきましても新規採用数は少なく、わずか百人程度を採用している例や、退職者数の毎年度の影響から、年度により大幅な採用数の変動のある県も見受けられます。  本県におきましては、児童生徒の減少傾向の中にあっても、教員を養成する大学の存在意義や若手教員が欲しいという学校現場の声などから、一定数の新規採用はぜひとも必要であると考え、ここ数年は毎年度約四百五十人の採用を維持、確保してきたところでございます。  教育委員会としましても、学校現場の実情を考えますと、若い教員のより多くの採用は喫緊の課題というように認識しております。  今後、いわゆる団塊の世代と言われる教員が徐々に退職年齢に達しますことから、教員の採用につきましても需要は将来的に増大すると予測しておりますが、こういう中で、将来的にも適切な人事管理が行えるよう十分配慮しながら、来年度以降の採用の計画的拡大について最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  次に、部活動についてでございます。  部活動は、御指摘のとおり児童生徒がみずから選択し、自発的、自主的に活動するものでございますが、教師との触れ合いや学年を超えた異年齢の部員との交流を通しまして、相手を思いやる心をはぐくんだり、協力して活動する楽しさあるいは厳しさを体験するなど、児童生徒の心身の発達に極めて大きな教育的意義を有しているものと考えております。私もそういうふうな経験をしているわけでございますが。  したがいまして、部活動を奨励することは、児童生徒の健全な成長、発展にとって大切なことでありますので、県教育委員会といたしましても、運動部活動指導者研修会などで指導者の資質向上を図ったり、運動部活動地域連携促進事業や県立学校部活動専門指導員設置事業により、地域の専門的な技術を有する人を指導者としてお願いしたり、加えて平成十二年度からは、国の緊急地域雇用特別交付金事業を活用しまして、新たな指導者を県立学校に派遣することの予算をお願いしているところであり、部活動の充実に努めていきたいと思っております。  また、同じく文化部の活動につきましては、特に成果の発表の場が欲しいというような希望もございまして、今年は、愛知芸術文化センターの大ホールにおきまして高校生の出演をいただき、あいち交流ステージとして開催したところでございます。  なお、平成十四年度からの学校週五日制の完全実施に向けて、地域における受け皿づくりが極めて大切という認識を持ってございます。大人から子供まで学校と地域がスポーツを通じて一体となることができるふれあいスポーツクラブを今後推進してまいりたいと考え、また、これに係る予算もお願いしているところでございます。  今後とも、部活動の活性化を図るとともに、地域での受け皿づくりに努めてまいりたいと考えております。  次に、民間人を校長や教頭に登用することについてでございます。  これは中央教育審議会の答申を受けまして行われた省令改正でございますが、中教審が、民間人を校長や教頭に登用できるよう、その任用資格について議論し、緩和するよう答申した背景としましては、私は、いじめや不登校問題の深刻化、青少年非行の増加といった憂慮される状況からもたらされる問題に対しまして、校長や教頭の学校運営に対する、適切になされているのかといったような社会の不満やいら立ちを反映しているのではなかろうかと思います。  学校運営に当たる校長や教頭に求められているのは、幅広い人材や社会的知識を動員して学校を活性化させる能力や資質でありますが、その適性に欠ける校長や教頭の存在が指摘されていることを教育関係者は重く受けとめることが大切であろうと考えております。  こうした背景を受けまして、これからの学校運営に必要とされるすぐれた手腕を持った管理職の養成、登用の必要性を認識しておりまして、民間人を登用することも一つの選択であり、他府県の動向をも参考にし、研究、検討してまいりたいとは考えておりますが、特に、本県の教員の年齢構成を見てみますと、いわゆる管理職適齢者である年齢層が急激に、かつ大幅に増加いたしますので、時代の要請に的確にこたえる適性を有する校長、教頭の指導力の養成に努める中で、切磋琢磨された人材の中から管理職に適任な人材を任用することに留意してまいりたいと考えております。  最後でございますが、いわゆる学校評議員制度の導入についてでございます。  学校が、いわゆる説明責任を果たしながら地域住民の信頼にこたえ、家庭や地域と連携、協力して教育活動を展開するためには、地域に開かれた学校づくりを進めることが今日の喫緊の課題と考えております。  各都道府県におきましては、そのための取り組みがいろんな形で進められているところでございますが、今回の文部省の学校評議員制度は、こうした地方公共団体の試みを受けまして、あくまで各学校の設置者の判断により、学校や地域の実情に応じ柔軟に対処することを前提とし、校長の求めにより、地域住民が学校運営に関し意見を述べることができる一つの仕組みを示したものというふうに受けとめております。  県教育委員会としましては、閉鎖性が強いと受けとめられている学校運営に対しまして、地域の意見を取り入れ、あるいは地域と学校が率直な意見交換をする中で開かれた学校づくりを目指すことが求められており、また、校長が、その自主性、自立性を保ちながら責任を持って円滑な学校運営をするためには、地域からの側面的な支援が不可欠であると考えております。  したがいまして、こうした趣旨を十分生かすためには、学校評議員という名前のみがひとり歩きし、形式的に流れることのないよう、各学校が地域の実情を踏まえ、どういう目的、どういう機能を持って、どう活用すればよいのかを意欲を持って検討し、対応していただきたいと考えております。  市町村教育委員会に対してもこうした考え方をお示ししており、県立学校におきましても、学校の置かれている状況、性格を踏まえ、校長が地域に開かれた学校づくりを進めることができるよう適切な措置を講じてまいりたいと考えております。 30: ◯副議長(柴田紘一君) 進行いたします。  原邦芳君。     [三番原邦芳君登壇](拍手) 31: ◯三番(原邦芳君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。  ただ、一部順不同となっておりますので、よろしくお願いをいたします。  まず最初に、交通事故防止のための道路行政について質問をいたします。  近年、交通事故の増加が伝えられ、昨年も死傷者の数が全国で百万人を上回っております。ドライバー人口の増加や車の低価格化による所有の容易さも手伝い、また、高齢者ドライバーや外国人ドライバー等増加傾向にあり、今後も事故の減少が見込めるような環境にあるとも思えません。  本県においても、県警による強力な取り組み、また、救急医療の改善や関係各位の御尽力により、昨年は死者が三百七十四人と減少傾向を示しておりますが、残念ながら事故の件数が減っているとは言えません。国民の百人に一人の割で交通事故によるけがを負うという事実は、我々の周りでもいつ降りかかってくるとも限らない現実です。  このことから言えば、本当は国を挙げての取り組みがなされねばなりませんが、今の政府の動きを見る限りでは、対策として予算はつき、取り組みもされておりますが、全国的に交通事故数減少のため各担当行政が全力を挙げて動いているとはまだまだとても言えません。  私たちは、だれもが安全で安心できる社会を求めているはずです。しかし、国がその期待にこたえてくれないとするならば、私たちは、自分たちでそんな社会をみずからが努力してつくり出していかなければと考えます。  その場合、一番に期待をされるのは警察の役割なのですが、幾ら懸命に取り締まりや啓蒙活動に努力していただいても、横着なドライバーや事故の原因が簡単に減るとも、なくなるとも思われません。裏道を猛スピードで走り抜ける車、一たん停止などほとんど守らないドライバーなど、事故が起きない方が不思議とも言える状態の毎日です。そこで、地方自治の大きな柱であります県の役割に希望を持たざるを得ないと思います。  今、縦割りと言われる行政組織が個々努力をしておられるとは思っています。しかし、大切なことは、県の組織の中に、各種の事故内容を分析し、今後の事故防止に役立てられるような専門の機関はどうなっておられるのでしょうか。事故の起こりやすい交差点や道路構造を分析し、今後の街づくりや道路行政に生かされるような、そういう努力と組織づくりはなされているのでしょうか。  今度、国道一号線の一色大橋のかけかえ計画が検討をされています。その住民説明会に参加して感じたことは、橋のシステムが、安全性の面から見れば、昭和四十年ごろの構造と変わっていないと実感しました。機械や機器が日進月歩なのに、安全面の発想は時代おくれの建造物としか思えません。  どう感じたかと申しますと、庄内川にかかる国道一号線の一色大橋は、片側一車線の同じ学区をつなぐ四種一級の生活道路です。現在は両岸の堤防道路の交差点に信号があり、通学児童や歩行者、自転車も信号により堤防道路を渡って通行しておりました。ところが、今度建設省と名古屋市から示された案は、中央分離帯が新しくつくられるため、両岸上の信号をなくすというものです。国の説明では、計画上は堤防道路から橋に入ってくる車は減少が見込まれるとありましたが、私ども生活者から見れば、今までは信号でとまっていてくれた車が、今度は堤防道路を横断中の歩行者へそのまま走ってくることになります。子供たちや自転車が数多く通り抜ける道にです。人々のための安全を考えるという発想は一体どこにあるのでしょう。  消費者に直接販売されるようなパソコンや他の製品は、この三十年、物すごい進歩をしているのに、道路という公共のためにあるものはなぜこんなにかわりばえしないのでしょうか。単に車の流れの効率化だけの道路行政でしかないと考えます。  こういった橋のシステムは、国道四十一号の新川中橋や二十二号の新名西橋など、昭和四十年以前の計画でつくられている架橋と同じ考え方をとっているのが現状です。今、若者の中に、交通事故によって脳に障害を持ち、後遺症に苦しむ人々が増加をしています。少子・高齢化の社会においては、日本の世の中の社会のコストを少しでも下げるには、元気で働ける人を一人でも多く確保しなければなりません。そのような状況の中で、以前よりもより交通事故を誘発してしまうような危険な構造に変えてしまうことに、私は疑問を感じざるを得ませんでした。もっともこれは国と名古屋市の所管で、県道とは違うため、一例にしかすぎません。  そう考えれば、もう一つ思うのは、歩道に乗り上げる車が各種道路で数多く見受けられ、歩行者の通行の妨害と安全面に多くの支障を来しておりますが、その対策がなぜいまだに考えられないのでしょうか。自動車が乗り上げることが事故の誘発となっております。また、交差点で自動車同士が衝突し、歩道に突っ込んで、事故の巻き添えで通行人や学童が死傷する事故が起きています。また、通学途中の児童の列にわき見の車が突っ込んだりと、安全に通行できる歩道であるはずなのに、大変危険な場所になっております。  これから、バリアフリーと言われ、歩道と車道の段差がなくなり、人に優しいと言われる道路行政が進められています。ただ、このことは、逆から見れば、歩行者と車との間に障壁がなくなり、一つ間違うと大変恐ろしいこととも言えます。とすれば、やはり車が突入しない、また、車が乗り上げることや歩道に駐車することができない構造を、なるべくコストをかけない方法で真剣に研究する必要があるのではないでしょうか。  例えば一例として、歩道への乗り上げを防ぐため、車道と歩道との間の縁石を車が乗り上げられないような高さにする。または、一段だけでもところどころにふやせば簡単に防げることです。そうすれば、子供や老人の方、また、車いすの方が車をよけるため車道にはみ出して通行するような危険は減ってくるのです。  それから、突入対策には、やはりガードレールをなるべく多く設置してほしいと思います。ただ、ガードレールは歩道を狭くするため、歩行者の方ができるだけ通行しやすいように少しでも広くするため、縁石の内側ではなくて、縁石の上にガードレールを設置することはできないでしょうか。  いずれにしろ、コストがかかることです。しかし、県民の命を守るという観点から考えていただければと思います。  二十一世紀にならんとする現在、財政も厳しい中、ただ新しい組織という発想であってはなりませんが、今ある行政組織に求められる合理化という物の考え方、つまり、合理化を求められているところ以外は今のままでいいのではといった考え方では、時代についてはいけません。大切なのは、組織みずからが真に県民のための自己変革を実践されることではないでしょうか。その一つに、組織の壁を超えた安全対策、道路行政というものが生まれてくることを願っております。  そこでお尋ねいたします。  道路行政で、交通事故防止の視点に立った専門的な組織や人の育成はどうなっておられますか。それらの今後の位置づけはどうなっておられるのか、お聞かせください。  もう一つ、お尋ねしたいのですが、今後の道路建設に当たって具体的な新対策はありますか、お聞かせください。  交通事故による悲惨な被害者をふやさないよう、県当局の今後に期待をするものであります。前向きな御答弁をお願いいたします。  次に、性犯罪者の再犯防止についてお尋ねいたします。  近年、洋の東西を問わず、弱者をねらった性犯罪が多発しております。子供に対するいたずら目的や女性を対象にした卑劣な犯罪など一向になくなりません。  今マスコミをにぎわしている、新潟で九年間少女を拉致、監禁した三十七歳の無職の男が起こした事件は、全国民を驚かせた一大事件でした。それほどの長期間、家の中に監禁状態が続いても、だれ一人として容疑者の家をマークしなかった。前に同様の事件を起こし、発覚して前歴があるにもかかわらず、警察当局は無論のこと、隣近所でさえ、そういった性犯罪者がいることすら知らなかった。そんな現状だからこそ、九年という長期にわたる監禁が可能となったと思っています。  昔は人の移動自体が少なく、また、隣近所の親密なつき合いなどもあり、近所の目というものがありました。何かみっともないことをすれば近所に嫌らしいという気持ちの中で、恥という概念が日本人に自制の気持ちを持たせていたと思っています。しかし、この現代は、マンションなどでは隣にだれが住んでいるのかわからない、どこの何者なのかもわからない。そんな都市化という時代の悪い部分だけが広がりを持ってしまっている匿名性の時代になり果てていると思います。  本県においても、一月に豊川市内で、二十九歳の男が小学六年生の少女にいたずらをする目的で車に乗せて連れ去るという事件が発生しました。幸い、このときは母親がマイカーで追跡し、直接少女を助け出したため、大事には至りませんでしたが、この男は、一年五カ月ほど前にも同様の事件を起こし、有罪判決で執行猶予中だったのです。あるいは女性宅に忍び込み、暴行事件などを起こす犯人も、ほとんどが何件も同様の犯行を重ねているケースが多く見受けられます。  今、日本の社会では、人権という言葉がにしきの御旗のように表現をされています。無論、人権という言葉は憲法にも明記され、人間の尊厳を守る大切なことであることは言うまでもありません。戦前の余りに軽過ぎた人権というものの反動なのか、何かにつけて人権、人権と騒がれ、犯罪者すらも大切な人となっています。  しかし、本当に大切に守るべきは、被害に遭った人や、多くの善良な真っ当に生きる一般市民の人権なのです。そして、犯罪を起こしにくい社会ではないでしょうか。学級崩壊と言われる学校や、家族という関係が役に立たない家庭教育、各種ありとあらゆる情報が飛び交う社会に、犯罪を抑止する姿はもう日本では見当たりません。  では、こういう時代にどうすればいいのか。だれもが嘆いています。しかし、残念ながら、特効薬はありません。ただ、一つ一つのことに対処していくしか方法はないと思います。  その一つに、今回の質問に対しての私からの提案として、アメリカで制定されつつあるメーガン法をお話しさせていただきます。  一九九四年にアメリカのニュージャージー州のハミルトンで七歳の少女、メーガン・カンカちゃんが、過去二回性犯罪を犯して有罪となったことのある近所に住む男、当時三十三歳に乱暴され、殺されるという事件が起きました。  母親は事件後、性犯罪者の個人情報を公開する法律の制定を目指してロビー活動を始めました。アメリカでは、一部の州で性犯罪者の氏名登録をするところもありましたが、この事件をきっかけにニュージャージー州などでその種の法律が制定されることになりました。  また、合衆国連邦でも、有罪判決を受けた性犯罪者が移転してきたときに、その地域社会に通知する法律を制定しなければ、州は連邦政府の財政支援を受けられなくなるという法律が、一九九六年五月、クリントン大統領によって署名されたため、同趣旨の法律がさらに多くの州で制定されるようになりました。このような性犯罪者の個人情報を何らかの方法で公開する法律がメーガン法と総称されています。  カリフォルニア州では一九九七年七月から、警察署でCD―ROM収録の個人情報を閲覧することができるようになっています。  ただ、このような法律は、本当はないことにこしたことはありません。人権保護団体は当然反対してくるでしょう。しかし、私は、本当に弱い人たちへの犯罪を未然に防ぐことの方が大切だと思います。  ただ、今申し上げたような法律は、本当は国の仕事です。しかし、残念ながら、このような法律に対しては、国会議員も含めて、余りにも弱腰と言わざるを得ません。しかし、日本の社会は確実にアメリカ型の犯罪多発国家へと変容を続けています。あと二十年もたてば、ほっといても法制化せねばならなくなるでしょう。だけど、それまで被害者を出し続けていくのでしょうか。  今は地方分権の時代です。自分たちの地域の幸せを自分たちでつくる。だからこそ、やるべきことは一日も早く実施していくことが重要だと考えておりますが、皆さんはいかがお思いでしょうか。日本の昔からのことわざで、転ばぬ先のつえと言うではありませんか。  そこでお尋ねをいたします。本県において昨年一年間の性犯罪は何件発生しておるのでしょうか。それから、本県において今後の防止対策はどうなっておられるのか、お聞かせください。また、被害者に対してのケアについての対策は今後どうお考えなのか、お答えください。  一般庶民として、最後のよりどころは警察とも言えます。今、他県警の不祥事により批判も多いと思いますが、これからも各種の犯罪に対して毅然として立ち向かっていただけますようお願いいたします。  次に、地方分権の幕あけ時代における愛知県の知恵についてお伺いいたします。  今、東京都の石原知事が提案した外形標準課税が大きな話題になっております。国民に悪評の高い銀行から税金を取るという、都財政にとっては有効であり、また、国民感情からも非常に支持されやすい政策を石原知事が打ち出したことは、我々から見ても大きな関心があると言ってもいいでしょう。  無論、これらはしたたかに計算された石原知事の策略であり、マスコミに取り上げてもらいやすいキャラクターだからこそやれたものとも思っています。もし愛知県が同じことを計画したとしても、税収入も東京都と違うため、マスコミや世論の動向がこんな流れになったとは考えられません。  ただ、ここで思うことは、地方分権の時代に、各自治体のアイデアや企画力、また、実行力次第で社会が変わること。その地方が発展するも、衰退するも、自治体の力量の差が出てくることだけは間違いないと考えられます。  本県も、国際博や中部国際空港、首都機能の移転の問題等、重要な案件を抱え、県の能力がいやが応でも問われております。少子化、高齢化、教育問題、年金、雇用、福祉、交通政策等々、問題点を挙げれば切りがありません。国際博については、毎日のマスコミ報道や外部からの声によって県が振り回されている現状を私は悲しく思うものです。  今の県の対応を見る限りでは、三割自治と言われる地方行政の時代のままの発想では、これから来るであろう地方分権の時代に自信を持って県民の皆さんに語りかけていくことができるのでしょうか。昔からよく言われるではありませんか、「金がなけりゃ、知恵を出せ」。今、この愛知こそがそんな時代であると思います。  最近、東京都がロードプライシング構想を発表しました。昔シンガポールで発案された政策で、都市に乗り入れをする車から料金を徴収するというものですが、これで経済損失を減らし、東京都の渋滞を緩和、解消しようと図ったものです。  しかし、我々地方から見れば、用事があり、また経済活動のために車を使って、東京のために税金を取られることが何のプラスになるのか。それなら首都機能移転をすれば、渋滞など難なく解消すると、我々地方ははっきり発言するべきと思いますが、いかがなものでしょうか。  昨年の六月議会で私が質問した地方年金制度も、関係部署と話をすると、制度を仮につくっても、制度の運営においては、大蔵省の規制のもとにおいてはすべてが護送船団方式で、配当金ですら地方で決められない、他の一般金融機関と同じ率でしか出せない、企業努力をしても意味がないという結果に終わりました。  ここで言えることは、今ある国の制度に地方もどっぷりつかっている。それらの制度の温存に地方も協力していることを自覚せねばなりません。我々地方議員は真に県民のための政策を望んでいるのです。  そこでお尋ねいたします。東京都が独自の条例を提案し、今後も地方自治の自律という路線を歩んでいくと思うのですが、それに対して、愛知県独自で今後実施したいアイデアや企画等のお考えがあるのか、県当局の御所見を伺います。  ところで、私の先ほどの質問にありました性犯罪者氏名公表にしても、管轄になります県警が独自に実施するには、中央の警察庁の力が強過ぎて、やりたくてもできないと思います。しかし、地方にとって知事という存在は、昨日の結城議員がおっしゃられたように一種の大統領だと私は思っています。この問題に対しても、情報公開という手法を使って、公開の対象として知事が決断されれば決して不可能ではないと思うのですが、いかがでしょうか。  神田知事も、就任されてはや一年が過ぎました。庁内のいろいろな問題点などもそろそろわかってこられたとも思っています。一宮市長として学ばれたこと、また、御自分の理想や信念など、いろいろ言いたいことも多いのではと思います。  そこでお尋ねいたします。今後、知事がおやりになりたい施策、また、新規に取り組んでみたいことなどありましたら、具体的に県民の前にお示し願えればと考えます。  前から継続することに一生懸命取り組んでおられ、御苦労察するに余りあります。我々も十分理解はしておりますが、やはり神田知事のカラーというものをそろそろ出していただきたいと願うのは私だけではないと思っております。将来にわたって、七百万県民に対して責任の持てる御答弁を御期待するものでございます。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 32: ◯土木部長竹内義人君) 歩道の安全確保についてのお尋ねを最初にちょうだいいたしました。  交通安全施設の構造につきましては、道路構造令や防護柵──ガードレールでございますけれども、防護柵設置要綱等の技術基準によりまして、例えば、歩道の縁石は歩車道の区分を明確にするとともに車両の路外への逸脱を適切に誘導することを目的に、高さ十五センチから二十五センチとするように示されております。  また、車両の路外への逸脱によりまして、特に重大な被害を生ずるおそれがある場合には、歩道の車両用の防護柵、ガードレールを設置することとされております。  さらに、近年におきましては、身障者や高齢者に十分配慮するため、歩道の段差を切り下げる、段差をなくすといったようなことについても指導なされているところでございまして、これらのことを総合的に判断をいたしまして、技術基準に基づきまして安全対策に万全を期しているところでございますが、いずれにいたしましても、交通弱者としての歩行者、身障者、高齢者等に十分に配慮することは、交通安全対策におきましても最も重要な事柄でございます。そのような考え方で、今後とも安全対策に十分努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をよろしくお願い申し上げます。  次に、事故防止のための関係者の連携といったようなことのお尋ねがございましたが、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法というのがございますが、こういう緊急措置法におきましては、道路管理者と交通管理者でございます警察とが緊密に協力をいたしまして事故防止に努めることを第一の目的といたしております。  そのような考え方から、交通安全施設等整備事業七箇年計画等により交通安全対策を進めているところでございます。  特に、平成八年度から取り組んでおります事故多発地点緊急対策事業におきましては、道路管理者と交通管理者の十分な連携のもとに、共同しまして事故の原因を分析し、総合的な安全対策を立案し、実施をいたしているところでございます。  交通安全対策につきましては、議員御指摘のとおり、道路管理者、交通管理者はもとより、関係行政機関や学識経験者、市民が幅広く連携をいたしまして総合的な対策を講じることが最も重要でございまして、このような視点でなお一層交通安全に万全を期してまいりたいと考えております。  以上でございます。 33: ◯警察本部長(古賀光彦君) まず、性犯罪の発生状況についてでございます。
     この種の犯罪につきましては、発生実態をどこまで正確に把握できているかという暗数の部分もあろうかとは思いますが、刑法上の性犯罪につきましては、強制わいせつ、わいせつ目的の住居侵入などを挙げることができますが、平成十一年中の認知件数は三百十一件で、前年と対比いたしまして二十件の減少となっております。  また、刑法上の性犯罪のほかに、軽犯罪法に抵触いたしますのぞき見、つきまといの事犯、迷惑行為防止条例の婦女からかい行為事犯など百五件がございまして、これらを含めますと四百十六件の認知件数となっております。  これらに対する対応といたしましては、三百八件、二百六十三人を検挙いたしているところでございます。  次に、防止策についてでございますが、性犯罪は女性や子供さんの人権を著しく損なう悪質な事犯でございまして、また、これらの方々の保護対策につきましては社会的にも重大な課題となっている点を踏まえまして、日々の業務を通じまして兆しとなるような事案の早期発見に努めますとともに、ポスター、チラシなどの注意を喚起するようなもの、あるいは女性を対象といたしました防犯教室、犯罪発生時におけるタイムリーな地域安全情報の提供を行うなど、広報啓発活動の強化を図っているところでございます。  さらに、関係の機関の方々と連携をいたしまして、公園、空き地などの管理者に対する、茂みでありますとか樹木の伐採等による死角の除去の要請など、暗がり診断と呼んでおりますが、こういったものの実施、あるいは自治体などに対する防犯灯、街路灯などの照明設備につきましての増設要請、それから、これは昨今多くなっておりますが、中高層住宅、団地のエレベーターなどにおける防犯設備の充実強化の要請、こういった、いわゆる管理者対策を推進いたしますほか、地域安全パトロール隊による自主警戒活動の強化をお願いしたり、私どもの警察官による多発場所あるいは多発時間帯を中心としたパトロールでありますとか、通学路、子供さんの遊び場など危険箇所に対する警戒活動の強化など、さまざまな対策を進めているところでございます。  なお、被害者対策の点につきましては、性犯罪被害が発生した折には、女性警察官が被害者の女性から直接事情を聴取するといった、犯罪直後、非常に被害者の方、精神的ショックが大きい場合もございますし、また、羞恥心などもございますので、こういったものを和らげるための配意に努めておるほか、被害に遭われた方々の精神的な負担を軽減するために、捜査班以外の警察官が付き添うなどの、直接的な支援に当たると申しますか、被害者の方々に対する支援要員制度による活動などを行っております。  また、性犯罪の被害に遭われた方々の相談窓口といたしまして、臨床心理士が被害者の心の悩みに対応するといったことで、ハートフルラインと呼んでおりますが、こういったもののほか、女性の警察官が性犯罪被害の相談に応じるレディースホットライン、あるいは少年からの犯罪被害などの相談に応じるヤングテレホンと、こういった制度なども設け、施策を推進しているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも、性犯罪の未然防止を図るための防犯対策と、この種事犯の強力な取り締まりを実施するとともに、各種の被害者対策の強化を図るなど、組織の重い課題として取り組んでまいりたいと考えております。 34: ◯企画部長(柳田昇二君) 地方分権の時代におきます本県独自の企画等についてのお尋ねでございます。  地方自治体の自主性や自律性を発揮し、住民ニーズに対応した個性ある地域づくりを展開していくことはますます重要となっております。  特に、昨今の厳しい財政状況の中では、施策の緊急性や優先度に対する見きわめが重要となりますが、一方で、将来の地域発展に向けた先見性という視点に立った施策を、地域の知恵を生かしながら進めていくことも大切であると認識いたしております。  そうした中、現在本県では、中部国際空港の整備や二〇〇五年日本国際博覧会の開催という、さまざまな分野で地域に大きなインパクトを与えますプロジェクトを推進しているところでございまして、関係者はもとより、地域の知恵を結集しまして、これらを着実に実現していく中で、我が国、さらには世界に愛知らしさをアピールしていく施策展開を図っていくことが大きな課題であると認識いたしております。  同時に、大変変化の激しい時代でありますだけに、時代変化を見据えた各種施策展開を図っていく必要がありますので、行政手法の新しいビジョンの検討やPFI事業の推進に向けた調査、さらには、二〇〇五年以降を視野に入れました新しい地域づくりの施策展開調査など、庁内各部局の連携のもとに取り組まなければならない横断的な課題の検討も進めてまいりたいと考えております。  以上です。 35: ◯知事神田真秋君) これからぜひともやりたいと考えている施策を具体的にというお話でありました。  現在検討のもの、あるいはさまざま内部で協議いたしているものもございますし、具体的な方向性がついていないものについて、余り軽々に申し上げるのもどうかとは思いますけれども、せっかくの御質問でありますので、その方向性はお示しをすべきかと存じます。  ところで今回、この議会の開会日、所信表明の中で四つのキーワードを申し上げました。透明性、連携、環境、情報という点であります。  このキーワードに沿って若干触れさせていただきますならば、まず情報という点でありますけれども、今やIT革命と言われるぐらい、情報化はとどまることを知らぬかのように激しく進んでおりまして、恐らくこれからのディジタル化は十年先、十五年先まで大変な急激な動きになるものと存じます。  現在、愛知県におきましては、新総合通信ネットワークというものを進めているわけでありますけれども、恐らくこういうレベルのものではなく、本当に県民一人一人が情報ネットワークによって県と結びつけられるという時代が来るような気がいたしておりまして、博覧会のソフトとも絡んでくるわけでありますけれども、こうした情報という視点での取り組みをぜひとも進めていかなければならないと考えております。  また、このことは、愛知県のITS産業などとも結びつくことでありますし、ベンチャー企業とも相通ずるものでありますので、ぜひとも力を入れていかなければならない分野だと考えております。  二つ目のキーワードである環境であります。  これも間違いなく、この環境が、大きな社会の中心を占めるキーワードになってくるわけでありまして、これも博覧会を持ち出すまでもないわけです。今ちょうど愛知県はISOの取得に向けて内部準備を進めておりましたり、今予算でもお願いをいたしておりますあいちエコルールづくりなどにも取り組んでおりますけれども、やはりこれからは先を見通しますと、新エネルギーとか、そうした、もっと環境という面を先を越しての県としての取り組みも必要になってくるような気がいたしております。これもこれから愛知が取り組むべき、また、ぜひとも取り組みたい一つの方向性であります。  それから、三つ目のキーワードは連携ということであります。  この連携で重要になりますのは、やはりNPOとの連携、協調ということではないかと思っております。これは、これから簡素でより県民と密着した行政を進める上で、NPOとのかかわりをも避けては通れない時代であると思っております。このNPOも、法人格取得についてまだ緒についたところでありまして、これからどう育て、あるいは協調していくのか、ぜひともやらなければならない分野だろうと思っております。  また、同じく連携という意味では、県民と行政を結ぶ広聴広報のあり方というものもぜひとも真剣に取り組んで研究してみたいと思っております。今回の予算では、コミュニケーション広報ということで、少し予算を御審議お願いを申し上げているところでありますけれども、本格的に県と県民とをどう広報広聴で結びつけていくのか。これもぜひとも検討、研究してみたい方向であります。  透明性の点でありますけれども、公文書公開条例の全面改正については、もう今回提案をさせていただいているところでありますけれども、このほかに、今議会でもいろいろ御審議いただいております行政評価、あるいはバランスシート、いろんな問題が周辺にあります。こうしたものについても、前向きにいろいろ研究、検討していきたいと考えているところであります。  御質問に対する一つの方向性ということでお答えを申し上げましたので、よろしくお願いいたします。 36: ◯三番(原邦芳君) それぞれ誠実な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  ただ、一点、改めて御要望させていただきたいのですが、性犯罪者の氏名公表について、今後も前向きに検討していただきたいと考えております。  行政の方から主体的に行うというのはどうかとお考えになるかもしれませんが、弱い者を守ると、自分たちで守ってあげたいという意思こそが大事じゃないかと、そういう社会の必要性があるのだと私は考えておるわけでございます。  どうか世の中の流れを変えるような行政であってほしいと思っておりますので、どうぞこれからも御検討のほど、よろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 37: ◯副議長(柴田紘一君) 進行いたします。  長谷川武君。     [六十二番長谷川武君登壇](拍手) 38: ◯六十二番(長谷川武君) 通告をしております三点につきまして、順次質問をしてまいります。  最初の質問は、二十一世紀型の市街地再開発事業についてのあり方についての質問でございます。  間もなく二十一世紀を迎えようとしております我が国は、少子・高齢化、環境共生の高まり、高度情報化の急速な進展など、歴史的な転換期を迎えております。  二十一世紀社会は、都市が拡大、分散する都市化社会ではなく、安定、成熟した都市型社会であると言われております。安定、成熟した都市型社会とは、良好な都市居住、身近に生活に必要なサービスが得られること、良好な地域コミュニティー、都市災害に対する安全性などがいつまでも持続する社会であると考えます。  このような経済、社会の変化に対応して、真に必要な分野に戦略的かつ重点的な公共投資を行う必要があることは今さら申し上げるまでもないと思います。政府の街づくり施策は、都市再生の促進に重点を移しつつあり、住宅整備においても、新規の住宅建設中心から、既存住宅の有効活用や建てかえにシフトしてきております。  昨年十一月の政府の経済新生対策を見ましても、二十一世紀の新たな発展基盤を築くために、市街地再開発事業等により都市基盤を総合的、集中的に整備をし、国際競争力を備えた都市を戦略的に再構築するとともに、都市居住の推進、密集市街地における老朽住宅の共同建てかえ等を推進するとうたっております。  このように再開発事業の役割は今後ますます大きくなります。これまで以上に再開発事業を推し進めるべきであると考えます。  そこで、これからの再開発事業のあり方と行政の支援について、私の考えを述べさせていただきます。  まず第一に、高齢化の急速な進展への対応についてであります。  高齢者世帯は、二十一世紀初頭に総世帯数の約三割に達し、高齢借家世帯も急増すると予測をされております。高齢者や障害者にとっては、街とは、身近に日常の暮らしに必要な医療、福祉、商業等のサービスを享受でき、安全、快適に生活できる街でなければなりません。  ところが、かつて都市の顔として栄えていた中心市街地において、商業の沈滞化、人口流失と高齢化により地域コミュニティーが衰退し、生活の利便性が低下してきております。このまま空洞化が進めば、防災・防犯面での安全性の低下、地域固有の伝統や生活文化の崩壊という深刻な問題にもつながってまいります。  これまでの再開発事業は、駅前のような高度利用のポテンシャルが高いところで、商業や業務系の用途の近代的なビルをイメージとして思い浮かべます。土地の高度利用によって生まれる保留床を処分して事業費を賄うという仕組みから、商業や業務系の用途が主となることはやむを得ないところであります。  しかし、これからの再開発事業は、地域住民共有の生活拠点の再構築という視点を重視して、都市居住の促進を図るとともに、生活に必要な各種サービスの提供、地域コミュニティーの形成、バリアフリー化、豊かで多様な時間を過ごせる場の形成といった機能をもっと持たせるべきではないか。具体的に申し上げますと、地域住民の交流施設、文化施設、福祉施設など、地域住民のニーズを取り込んだ公益的施設を積極的に組み入れるべきではないかと考えております。  第二に申し上げたいことは、環境共生の高まりに対応すべきであるということであります。  再開発事業は、これまでに投下された社会資本の有効活用であることから、事業そのものが環境に優しい事業でありますが、再開発ビルについても、当然環境に配慮したものでなければならないと考えております。既にアメリカやヨーロッパ諸国では、グリーンディベロプメントというコンセプトのもとに、グリーンビルディングという環境負荷の少ない、エネルギー効率が高い住宅や建設物が建てられております。  ちなみに、愛知万博のメーンテーマがビヨンドディベロプメントでございます。今このテーマについての見直しが検討をされておるやに伺っておりますけれども、私は、このビヨンドディベロプメントの先にあるのがグリーンディベロプメントであると考えております。グリーンディベロプメント、まことに響きもいいですし、スマートであります。  かねがね私も、環境万博のメーンテーマとしてはグリーンディベロプメント、非常にぴったりだなと思っておるところでございますが、それはさておきまして、既に欧米では、こういったグリーンビルディングというエネルギー効率の高い、そして環境負荷の低い住宅や建築物がどんどん建てられておるわけでございます。そして、州政府によっては手厚い税制面の対応、そして補助金の支給、こんな手当ても行き届いておるようでございます。  政府は、省エネルギーと建物の長寿命化に対応した再開発ビルや住宅について、建設費の一部を割り増し補助していると聞いております。県におきましても、環境共生型の再開発ビルの建設が促進されるよう必要な支援を行うべきではないかと考えております。  第三には、今話題になっておりますPFIでございます。  昨年七月にPFI推進法が成立をしております。PFIとは、公共側は事業の内容を決めるのみであり、事業のやり方は民間企業が決めるものであります。すなわち、民間企業が資金を用意し、知恵と努力で公共公益施設の建設や管理運営を行い、よりよく、より安く公共サービスを行おうとするものであります。このPFIは、再開発事業に大いに期待できるのではないかということでございます。先ほど申し上げました公益的施設を再開発ビルに組み入れる場合にも、PFIはまさに有効な手段ではないかと考えております。  第四には、再開発事業を促進するためには、第三セクターが支援していくという仕組みづくりが有効な方法ではないかということでございます。この仕組みづくりを、行政支援として積極的に進めてはどうかと考えております。  再開発事業は権利変換という大変困難な関門があり、かつ保留床処分の見込みがつくかどうかが重要なポイントであります。事業に精通し、ノウハウを蓄積した人材がその事業に携わるかどうかで事業の進みぐあいが大きく変わると聞いております。また、再開発事業は地域経済と密接な関係があり、地域経済に精通していることが保留床の円滑な処分に有利であることは言うまでもありません。  この意味から、地域の実情に精通し、事業の仕組みを十分に知り得る立場にある行政と地元経済界で組織する第三セクターが、設計や経営コンサルタントの協力を得ながら、企画から竣工後の管理運営に至るまで一貫して支援していく仕組みが事業の促進に有効ではないかと考えております。  以上、四点ほど、これからの再開発事業のあり方について、私なりの考えを述べさせていただきました。  次に、現下の再開発事業に関する問題でございます。  現在、愛知県下各地で再開発事業が施行中でございますが、私どもの春日井市でも、勝川駅前地区におきまして、現在この事業が施行中でございます。昨年の八月にシティーホテルを中心とした再開発ビルが完成をしたことは記憶に新しいことでございますが、これによりまして、従前を一新するような景観、新しいにぎわいのある街の実現を目指して、現在、事業の推進に鋭意取り組んでおるところでございます。しかし、将来に向かって期待も大きい反面、不安もある、これが実情でございます。  また一方、二〇〇五年の中部国際空港の開港、万国博覧会の開催を控えまして、本県がさらなる飛躍を目指そうとしている時期に当たり、これに呼応するがごとく民間の再開発事業の機運が高まっております。とりわけ名古屋市において、JRセントラルタワーズの開業が契機となり、現在、名古屋駅周辺や栄といった都心部で幾つかの再開発事業が進んでいると聞き及んでおります。私は、中部地方の玄関口たる名古屋市でのこうした機運は、本県の街づくり政策上も極めて意義深いこととして、重大な関心を寄せております。  そこで、順次お伺いをいたします。  まず一点目は、再開発事業の効果並びに現状と課題についてであります。市街地再開発事業は、都市の再生に大きく寄与してきたところでございますが、バブル崩壊後の投資意欲の衰えから、商業・業務系の保留床の処分が困難となり、事業が停滞をしている地域があると聞いております。再開発事業はどのような効果があるのか。また、何が障害となって事業が停滞をしているのかをお伺いをいたします。  第二点目は、新しい再開発事業のあり方についてであります。二十一世紀の時代潮流である人口の高齢化と環境共生への対応、小さな政府や公共部門の民営化の流れに位置するPFIの活用等、これからの再開発事業を考える上での重要なポイントであると思いますが、この点に関し県はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  第三点目は、名古屋市における新しい再開発事業の機運に対し、今後県としてどのように受けとめ、対応をされるのか、お伺いをいたします。  第四点目は、再開発事業に対する行政の支援についてであります。現在停滞をしております再開発事業の課題を克服し、新しい時代に合った再開発事業を進めていく上で、再開発事業に補助金を交付し、事業を指導、監督する立場にある県として、どのようなお考えなのかをお伺いをいたします。  質問の第二は、高蔵寺駅直通運転施設の整備についてであります。  今後、生活における豊かさ志向の高まりや自由時間活動の活性化などに伴って、県民の生活圏や交流圏はますます広域化、多様化していくことが予想をされております。  こうした中で、各地域の中核都市をつなぐ交通軸の整備や、名古屋市を中心とした放射環状交通網の整備などにより、地域全体の有機的な交通ネットワークを形成していくことがより一層重要になってまいります。  一方、本県の交通体系は自家用車の依存度が高く、輸送機関別の自家用車分担率は、東京都が約二〇%、大阪府は約四〇%、我が愛知県は約七〇%となっておりまして、とりわけ都市部では交通渋滞、環境悪化等の都市交通問題が深刻化しておりまして、こうした課題解決の一つに、鉄道等の交通基盤施設を充実していくことはもとより、公共交通機関の利便性の向上を図ることが必要でございます。  さらに、高齢化の進展やノーマライゼーション理念が浸透する中で、施設のバリアフリー化などにより、高齢者や障害者などが安全かつ負担の少ない方法で移動できるような、人に優しい交通環境整備が今後ますます求められるようになってまいります。  そのため、都市交通の円滑化や交通需要の適切な誘導といった観点から、鉄道等公共交通機関の着実な整備を促進するとともに、その利便性を高めるため、鉄道相互の結節改善や鉄道、バス、自動車などの効率的な連携が必要でございます。  そこで、本県が新年度の事業として、高蔵寺駅における愛知環状鉄道線とJR中央本線の直通運転施設の整備に取り組まれますことは、まことに時宜を得たものであると高く評価をいたすものでございます。  この事業につきましては、地元春日井市としても長年の懸案であり、地域の発展はもとより、現在一日平均約五万人という利用者にとりましてもまさに福音でございます。また、その役割が愛知万博会場への重要なアクセスとして期待が大きいだけに、県としても積極的に取り組んでいくとのことでございますが、これにつきましての基本的な考え方と進め方について御所見をお伺いをいたします。  質問の第三は、水道事業及び工業用水道事業の料金改定についてであります。  水道事業及び工業用水道事業の経営の現況と将来の見通しが、近年における水需要の伸びの鈍化に加えて、新規水源施設の完成や安定供給施設整備に伴う費用の発生などにより、非常に厳しい状況にあることにつきましては、これまでお伺いをしてまいったところでございます。  県営の水道事業及び工業用水道事業は、県民生活や県内の産業の発展に大きく貢献をしているところでありますが、それだけに、この厳しい経済環境の中での料金改定が県民や企業に及ぼす影響もまた大きなものがございます。  このため、受水団体や企業ユーザーの方々には、料金改定の必要性などについて十分な説明と協議が重ねられたことと思います。その結果、今議会に料金改定にかかわる条例改正案が提案をされておるわけでございますが、そこでお伺いをいたします。  まず、料金改定の検討に際しては、何よりもまず自助努力としての各種の経営改善策に努められることが必要であると機会あるごとに申し上げてきたところでございます。そこで、今回の料金改定案の中ではどのような経営合理化に努めていられるのか、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。  次に、料金改定を実施することにより、今後の経営収支の見通しはどうなるのか。また、今後、水道及び工業用水道事業の経営にどのように取り組んでいかれるのか、改めて御決意のほどをお聞かせをいただきたいと思います。  以上、三点について質問をしてまいりましたが、再質問はいたしませんので、知事初め理事者各位の明快な御答弁を期待をして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 39: ◯建築部長(杉山義孝君) 再開発事業につきまして御質問いただきました。  まず、再開発事業の効果でございますけれども、まず第一点言えることは、都市の防災性が格段に向上いたします。これまでに完了いたしました地区におきまして、一地区当たり、平均で公共施設は約倍になり、約百二十戸の都心住宅を供給し、商業販売額が年間約二百三十億円となる商業施設が整備されております。また、県補助金の約十六倍程度の民間投資を誘発し、雇用創出効果、また地域経済への波及効果が非常に高い事業でございます。  このような事業でございますけれども、現在、事業中の地区におきましては幾つか課題を抱えている地区がございます。こうした地区の課題の主要な要因は、御指摘のとおり、第一に、昨今の経済情勢によりまして保留床の買い手がなかなか見つけられず、事業の組み立てが難しいことでございます。二つ目に、地権者の合意形成と権利変換が長期化しておりまして、反対者がいる場合には、その説得に相当の時間を要していることでございます。また三番目に、事業準備段階におけます資金調達の問題でございますが、金融機関の貸し渋り等によりまして、必要な事業計画作成のための資金手当てが難しい、こうしたことが課題として挙げられます。  次に、新しい再開発事業のあり方という点でございますが、御指摘のとおり、福祉施設や地域住民の交流施設等、公益的施設を再開発ビルに組み入れることは大変効果的であると考えております。公益的施設は人が集まることから、商業者の出店意欲が高まり、行政の事業参画によりまして地権者に安心感が生まれる効果もあり、事業の促進の面からも有効でございます。  また、環境共生への対応という点につきましては、国におきまして幾つかの補助制度が創設されております。こうした国の制度の活用を初め、御指摘のグリーンビルディング等、環境に配慮した再開発ビルを建設するように指導、助言してまいりたいと考えております。  また、PFIにつきましては、再開発事業は本来公共が行う街づくり事業の一翼を担っているという意味で、既にPFI的な考え方が導入されておりますが、先ほどの公益的施設の建設や管理運営にPFIを活用するということは大変有効であると考えております。今後、研究、検討してまいりたいと思います。  次に、名古屋市における新しい再開発事業の機運についてでございますが、名古屋市は中部圏の玄関口であるとともに、愛知県の中枢都市でございます。主として土地区画整理事業による市街地整備が活発に実施されてきましたが、近年は、御指摘のとおり名古屋駅周辺から栄地区におきまして民間による大きな再開発事業が六地区ほど計画をされており、都市計画決定あるいは組合の設立に向けて、現在鋭意取り組み中でございます。  これらの事業の推進は、中枢にふさわしい都市機能の充実と新しいにぎわいの創出に大変意義深いものでございます。今後、名古屋市との連携、協力を強め、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、再開発事業に対します行政支援でございますが、今後、円滑に事業を推進していくためには、制度上の課題といたしまして、一つは、再開発組合の早期設立や認可手続の運用改善、二つ目として、再開発組合への無利子貸し付け制度の拡充、第三に、転出者や零細権利者に対します税制上の特例措置と補助の拡充、そして四番目に、明け渡し代執行についての情報交換や対応マニュアルの整備。こうしたことの整備推進を図っていく必要があると考えております。  また、事業資金の調達の問題にかかわる保留床の取り扱いにつきまして、資金回収を長期的に行う賃貸経営化、あるいは土地信託、あるいは証券化の検討といったことも今後の課題でないかというふうに考えております。  国におきまして、このような制度上の課題や資金調達の方法につきまして順次検討されております。今後、それらの対応を見守りつつ、県におきましても適切な対応を図ってまいる所存でございます。また、第三セクターによる事業支援も事業の促進に効果があり、今後の行政支援のあり方の一つであると認識をしております。  地方公共団体は、大変厳しい財政下にございますが、御指摘のあった貴重な御提案を参考にして、再開発事業の主体的な役割を果たします市町村との連携、協力を行い、新しい時代にふさわしい事業展開ができるように、県におきましてもできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。 40: ◯企画部長(柳田昇二君) 高蔵寺駅におきます愛知環状鉄道線とJR中央本線の直通運転施設の整備についてでございます。  直通運転の実現は、乗りかえ時間の解消によります所要時間の短縮を初めといたしまして、高蔵寺駅の混雑緩和とかバリアフリー化の促進など、鉄道の利便性の向上に大きく役立つものだと思っております。  また、愛知環状鉄道線におきましては現在、輸送力増強事業も鋭意進めておりまして、これに加えて直通運転の実現を図りますことは、本県の公共交通ネットワークを一層充実強化し、地域の活性化の促進にも大きな効果が期待できますとともに、二〇〇五年の国際博覧会におきます主要な鉄道アクセスとしての役割を果たしていくことも可能となるものでございます。  こうしたことから、本県といたしましては、来年度の当初予算におきまして直通運転施設の整備に係ります予算の措置をお願いいたしているところでございまして、国や春日井市を初めとする沿線四市などの御支援もいただきながら、関係者が一致協力しまして国際博覧会の開催までの施設整備を図ってまいりたいと考えております。 41: ◯企業庁長(清水正一君) 水道事業及び工業用水道事業の料金改定についての御質問でございますが、私ども、ユーザーの皆様方に料金の値上げを了承していただくためには、ふだんからの経営合理化によります健全な経営の維持ということに努力をすることが必要だというふうに考えておるところでございまして、これまでも、水道と工業用水道併用の浄水場の建設、あるいは浄水場管理の人員配置の見直し、それから水道事業におきます減債積立金の有効活用によります支払い利息の軽減など、できる限りの各種経営改善策に努めてまいったところでございます。  さらに、今回の料金改定の検討に際しましては、筏川取水場、あるいは安城浄水場の運転管理業務の民間委託を初めといたしまして、来年度からお願いをしております水道部三課体制の二課体制への再編などによる人員の合理化、あるいは浄水場から発生をいたします土量の、発生土の有効活用の拡大による経費の節減、それから、工業用水道事業におきましては、高金利債の借りかえによります圧縮、それから繰り上げ償還によります支払い利息の軽減など、できます今後の各種経営改善策を取り入れておるところでございます。
     こうした結果、水道事業では約三十九億、それから工業用水事業では約十七億円の改善が見込まれておりまして、料金改定額の抑制を図ったところでございます。  次に、料金改定の今後の結果でございますけれども、今回の料金改定をお願いいたしますと、水道事業では、四年後の平成十五年度末に約百七十七億円、工業用水道事業では、平成十四年度末、三年後でございますが、約四十八億円と見込まれました累積の欠損金がほぼ全額解消をさせていただける見通しでございまして、経営の健全化と安定的な水供給の確保が引き続き可能となってまいることになります。  今後におきましても、日々経営改善に努力をしながら効率的な事業運営を図り、安全で安心して使える用水の確保に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 42: ◯知事神田真秋君) 再開発事業でありますが、御指摘のとおり既存の社会資本を活用して街づくりを行おうとするものでありまして、大変重要なものであり、有効なものだと認識をいたしているところであります。  再開発事業が抱える課題をさまざま克服をいたしまして、少子・高齢化、あるいは環境共生に対応しながら、安全かつ快適な地域社会の構築のために、民間の知恵も結集して、引き続き再開発事業の推進を支援してまいりたいと思っております。  なお、これに関連して、PFIでありますけれども、現在も全庁的に検討中でありますが、この再開発事業における活用というのはそれなりの可能性があると思っておりますので、今後、検討の中にきちんと加えて勉強してまいりたいと思っております。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 43: ◯六番(小林功君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     [「賛成」と呼ぶ者あり] 44: ◯副議長(柴田紘一君) 小林功君の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] 45: ◯副議長(柴田紘一君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後三時十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後四時十一分開議 46: ◯議長神戸昭治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  田辺克宏君。     [十番田辺克宏君登壇](拍手) 47: ◯十番(田辺克宏君) お許しをいただきましたので質問をいたしますが、今回通告をさせていただきました通告順一番の民間再開発に対する県の支援につきましては、さきに質問されました我が党長谷川武議員より同趣旨の質問がなされ、私自身十二分に理解できる御答弁をいただきました。この質問は今回取りやめさせていただきます。  ただ、財政状況は大変厳しいのは十二分に承知しておりますが、行政としては、直接事業を行うよりも負担が少なく、民間の前向きな投資により街の再生、活性化が期待でき、将来につながる施策として、民間の意欲をそぐことのないよう、今後とも御努力いただくことを要望させていただきたいと思います。  また、通告順三番の中小企業対策につきましては、議事運営に協力したいとの立場で、今回は質問を取りやめさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、質問に入らさせていただきますが、当局の誠意ある御答弁をまず最初にお願いを申し上げておきたいと思います。  まず最初に、高齢化社会の住宅対策についてお伺いをいたします。  この四月からは御承知のとおり公的介護保険がスタートいたします。しかし、この保険制度と現行の福祉施策との関連による問題点も現在指摘されているところであります。県においても、住宅に関する各種の福祉施策を実行してきたわけでありますが、今後、この公的介護保険と今日まで行われてきました福祉施策との整合性を矛盾なく、また、福祉の後退と言われることのないよう施策を推進していかなければならないところであります。  この公的介護保険制度の中には住宅改修も加えられることになり、これに伴い、人にやさしい住宅リフォーム制度が平成十二年度には整理されることになりました。このことは重複した制度ということもあり、この措置につきましてはやむを得ないとの感がありますが、今後の推移を私はしっかりと見定めなければならないとも思っております。  今さら申し上げますまでもなく、日本の高齢化率は、二〇〇〇年初頭にはヨーロッパの先進国を追い抜き、やがては世界でも例を見ない、三人に一人が高齢者という超高齢社会が到来すると言われております。  本県の高齢化率は全国平均をやや下回って推移をしてきておりますが、昨年末に発表されました人口動向調査によりますと、六十五歳以上の方が約一四%となっており、あと十年ほどで二〇%程度になるとも見込まれており、このことは少子化の進展とも相まって、高齢者の介護の問題や医療、年金制度のあり方が既に大きな課題として国民全体に問われているところであります。  残念ながら介護が必要になってしまった場合の対応とともに、高齢者も社会の重要な構成員であるとの観点から、今後の高齢者社会でも、人が安らぎを感じる場所の一つである住まいへの施策もますます重要な施策であると考えます。  介護対象とならない高齢者の方々、すなわち元気で日常生活が営める方や、少し支援をすれば自立して十分に生活ができる方々の方が圧倒的に多い状況ではないかと思います。しかしながら、このような皆様にもしっかりと目を向けることが、介護に至る大きな予防効果になるものであると考えます。この観点から、高齢者が住みなれた家や地域において、安心して楽しく暮らしていける環境づくりを重視した対策を進めるべきだと思います。  そこでお尋ねをいたしますが、高齢者の住宅対策の考え方と施策の状況について、まずお答えをいただきたいと思います。  また、愛知県の昨年十月時点での世帯数は約二百五十万世帯とのことであります。その中で、高齢者がお見えになる世帯は七十数万世帯。その七十数万世帯のうち、高齢者のひとり暮らしと高齢者夫婦だけの世帯数は、先ほどもお話がありましたが、三十万世帯程度と推測されているとのことであります。そして、この高齢者だけの世帯の住まいは、おおむね三割が借家で、残りの七割の方が持ち家とのことであります。  この状況を御理解していただいた上でお聞きしたいことは、昨年の十二月に良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する法律が公布され、この三月一日より施行されております。この法律のポイントは、定期借家制度を初めて導入したことでございます。借家を経営する方にとっては、期限を定めて契約ができることから経営見通しが立てやすくなり、ひいては良質な賃貸住宅が多く供給されることが期待をされております。  しかしながら、この法律が高齢者世帯の追い出しにつながりはしないかと危惧をしておりましたが、これまでのいわゆる正当事由がなければ契約が解除できないという従前の制度は継承され、この三月からの全く新しい借家契約が定期借家制度の対象となりました。  また、国会における附帯決議におきましても、借家人の居住の安定に十分配慮をするよう求められておりますので、安心をしているところであります。それでもなお、借家にお住まいの高齢者の方々には、さまざまな意味で不安定な居住条件を抱えているのではないかと推測されるところであります。まず、居住の安定を図ることが重要であると考えます。  また、この法律のもう一つのポイントは、法律の目的にあるとおり、良質な賃貸住宅の供給を促進することであります。このため、国や地方公共団体に良質な賃貸住宅の供給や公的賃貸住宅の整備改良の努力義務を課しているところであります。  ところで、県営住宅におきましては、高齢者対策として、平成三年度より段差の解消を初め、順次高齢者向けの仕様を取り入れ、現在新しく建設する県営住宅はすべて高齢者向けに配慮したものとなっており、その数は九千五百戸近い戸数に達しているとのことであります。また、既設の県営住宅につきましても、高齢者対策として昭和六十二年度から取り組まれ、平成十年度の千三百五十五戸をピークに、単年度における改築戸数は減少はしてきておりますが、現在二千戸を超える住戸改善が完了しているとのことであります。合計いたしますと約一万一千五百戸、県営住宅戸数は現在約六万戸でありますので、約二割の県営住宅が高齢者対策仕様になっているということになります。  しかし、今後の高齢化の進展や、四月から始まります在宅介護を主眼に考える介護保険導入を考えますと、現在の県営住宅の状況では、果たして県営住宅の機能を十分に発揮できるのか心配をしておる一人であります。今後、さらに既設県営住宅の改善にも拍車をかける必要があるのではないかと考えます。  実態としては、民間の借家住まいの方が多いわけではありますが、良質な賃貸住宅の供給や公的賃貸住宅の整備改良の努力義務を課せられた愛知県としては、今後の高齢者に対する公的な賃貸住宅の役割と施策についてどのように考えているのか、お尋ねをいたします。  続いて、持ち家にお住まいの高齢者に関してもお伺いをしたいと思います。  特に都市部の中心市街地で起きている高齢化の問題は、住宅対策にとっても大きな課題となってきていると考えております。都市郊外への大型商業施設の立地などで、駅前などの中心的な市街地が地盤沈下をし、空洞化が進行していく問題は多くの都市が抱えており、最近ではTMO、すなわちタウンマネジメント機関の設立などを初めとして、街の活性化対策に腐心しているのが実情であります。  このような市街地では、商業的な機能の低下だけでなく、若い世代もよりよい住宅環境を求めてどんどん郊外へ移り住み、高齢者が残されるという現象もあわせて進行をしております。  中には、自宅を処分し、有料老人ホームに入られる方や、郊外へ移り住んだ子供家族と同居される方もいることと思いますが、できる限り住みなれた場所にとどまりたいという高齢者の方々のお気持ちや街の再生ということから考えますと、本来の解決方法になっているのかは甚だ疑問があるところであります。  このような問題は、住宅対策の範疇だけでは当然難しいものとは思いますが、住宅対策も、解決しなければならない問題の一つとしてこの中に含まれることも事実であります。資産を保有している、十分な広さがあるなどの理由から、住宅対策の網から漏れてしまい、何の対策もとられないというものもいかがなものかと考える次第であります。  そこでお尋ねをいたします。都市部の中心市街地に高齢者の方々が安心して住むことができ、また、若い世代も戻ってくるような住宅対策が必要であると思いますが、どのように考えておられるのか、お示しをいただきたいと思います。  また、この関連でお聞きをいたしますが、国の経済新生対策に、歩いて暮らせる街づくりが位置づけられました。この趣旨の中には、生活の諸機能がコンパクトに集合し、身近に就業場所のあるバリアフリーの街において幅広い世代が交流し、助け合うことなどを通じ、身近な場所での充実した生活を可能とするとともに、これからの本格的な少子・高齢化社会に対応した安心、安全でゆとりのある生活を実現しようとする試みであると言っております。まさに、バリアフリーという言葉を除きますと、この趣旨に書かれている街というのは、私、四十二歳でございますけれども、子供のころに自分が遊んだ街を指しているような気がいたします。  この施策の直接の推進者は市町村ではありますが、県下においてどの程度の市町村が応募しているのか。また、県としては、高齢化社会の住宅対策という点からも何らかのかかわり合いがあると思いますが、この施策に対し、県はどのように関連していくお考えなのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。  続きまして、新千年紀記念事業についてお伺いをいたします。  国が二〇〇〇年十二月三十一日から二〇〇一年十二月三十一日にかけて実施する新千年紀記念事業に対し、今回県は四千万円予算計上され、この国の事業に参加される予定とのことであります。  この事業は、政府、都道府県、企業等がインターネット上にパビリオンを設置して行われるもので、この行事を通して我が国におけるインターネットの飛躍的な普及、発展並びに全国各地の情報発信能力の向上と特色ある文化の振興を図ることを目的とされております。名称はインターネット博覧会、略称がインパクとのことであります。  国においては、平成十一年度補正予算において約三億四千万円、平成十二年度においては約二十五億円の予算を計上し、この事業に取り組んでおられます。この事業の推進に当たっては、新千年紀記念行事懇話会が設立され、内容を詰めているとのことであります。  その懇談会における各メンバーの発言も既にインターネット上で公開をされており、この新千年紀記念事業懇話会のメンバーのアンケート結果には、「企業の協賛も積極的に推進すべきである」「広告についても積極的に受け入れるべきだ」。また、事務局側の発言におきましても、「事務局の案としては、協賛には協賛金、スタッフ協力、準備・運営のための施設提供、商品提供、告知宣伝タイアップ等々いろいろな形があるので、そういうことを前提に運用ルールを定めていく」「バナー広告についても原則自由に受け入れる」、「取引や広告も可能であるが、基準や方法等は検討したい」、「自治体行事への企業参加への促進やアクセス数で競い合う仕組みの導入等を考えたい」など、また、経済企画庁長官の発言の中にも、「民間企業の方々にはできるだけ都道府県とタイアップした形で参加していただきたい」、また「できるだけ自治体にも国民の一人としてテーマを応募していただくと、リストに載りますからやりやすい」などなどの意見が見受けられました。  今申し上げましたのはごく一部でありますが、大変印象に残った点でありましたので紹介をさせていただきました。  インターネットを利用しての博覧会を行い、そのことをインターネットの普及、発展につなげようという国自身の取り組みにも、今までにない新しさを感じますし、また、その事業の中に民間の力の導入を考えているという点からも大変興味深いものがあります。  そこでお尋ねをいたしますが、県が実施する新千年紀記念事業としては現段階でどのようなものを考えているのか、お伺いをいたします。  また、先ほども紹介をいたしましたが、企業による参加、商品販売等のことも想定しながら実施される国の事業というものは大変珍しいことだと思います。しかし、この事業に関しては、企業による参加、商品販売も取り入れる方向で検討されているようですが、県としてはこの考えをどのように感じられているのか。もし意見集約がなされ、積極的な民間の力の導入が了解されたならば、財政難の折から、県財政の効率化という点からも積極的に取り入れ、よりよいものにしていくべきと考えますが、どうすべきかお答えをいただきたいと思います。  続いて、私自身、今回予算計上されておられる金額は、ホームページ上のパビリオンの開設にしては、四千万円という予算額が適切であるのかどうか判断する専門的な知識が少ないわけでありますのでお聞きいたしますが、この金額は一体どのような根拠で算定されたのか、お尋ねをいたします。  最後に、二月十九日の新聞報道によりますと、県ではインパクを活用して愛知万博を世界にアピールしていく考えで、実行委員会を設け、出展内容を検討していく方針との報道がございました。この方針が事実であるのかどうか。もしそうであるならば、事実であるならば、先ほども紹介しましたように、愛知県としても積極的にテーマのアイデアをこの行事に応募し、この二月二日から三月二十二日までのテーマの募集期間中に応募し、参加すべきであると考えますが、どのようにされるお考えなのか、お伺いをいたします。  以上で、私の壇上からの質問とさせていただきますが、再度お願い申し上げます。御当局の誠意ある御答弁を心よりお願いを申し上げ、質問といたします。ありがとうございました。(拍手) 48: ◯建築部長(杉山義孝君) 高齢者の住宅対策の考え方あるいは施策の状況についてでございますが、住宅政策は、高齢者を初め、あらゆる県民の方々が安心して暮らせる住まい、街づくりを進め、人々が生きがいを持ち、社会全体の活力を維持していくということが基本的な考え方だろうと思います。  高齢者に対する施策といたしまして、平成八年に作成をいたしました愛知県住宅マスタープランに基づいて現在進めておりますが、まず、高齢者や障害者向けの賃貸住宅の確保のための福祉施策と連携をいたしました公的賃貸住宅の整備、あるいは高齢者向けの住宅のモデル事業といたしまして、いきいきタウン大府や金田のこうした具体的なモデル事業の実施。また、三点目に、人にやさしい街づくりを推進するための条例の制定、そして、そうしたものに基づきます市町村事業に対する県の支援、さらには、一般の県民向けにバリアフリー等長寿社会対応住宅の普及や促進を重点的に進めております。  今後の高齢者に対する公的賃貸住宅の役割あるいは施策についてでございますが、現在、県営住宅のストックの六万戸と市町村営住宅や公団、公社などの賃貸住宅を合わせました、いわゆる公的賃貸住宅のストックは二十万戸強となっております。  こうした公的賃貸住宅は、民間の賃貸住宅を含めました借家市場全体に大きな影響力を持つに至っておりますので、民間賃貸住宅との役割を明確にしつつ、高齢者を初めとする支援が必要な方々に配慮した施策を着実に実施していきたいと考えております。  とりわけ高齢者に対しましては、平成八年度に高齢者向け公共賃貸住宅整備計画を作成いたしまして、公営、公社、公団住宅におきましては、入居に当たって優遇策の実施をするあるいは住戸改善の計画的な推進、こうしたことに努めているところでございます。特に、既設の県営住宅の高齢者向け改善につきましては、平成十年度から本格的にスタートさせまして、十年間で一万戸を目標に取り組みを進めているところでございます。  このほか、新しい施策といたしまして、民間の事業者が高齢者向けに賃貸住宅供給を行う場合に、建設費や家賃に国や県の助成を行う高齢者向け優良賃貸住宅の制度を十一年度に発足をさせ、平成十二年度には二百戸の計画認定を行う予定にしております。  都心部の中心市街地での高齢者の居住についてのお尋ねでございますが、都心部に高齢者や若者が居住していくというためには、魅力的な住環境を整備していくことが重要であると思います。  こうした都心居住を推進していくためには、それぞれの都市に応じた方策があると思いますが、例えば、高齢者向けの住居と若い世代向けの住居を高齢者や子育ての支援施設とセットで整備していくような、従来の住宅政策にない幅を広げた施策展開が必要であると考えております。  こうした課題は、平成十三年度から予定をしております新しい住宅マスタープランの検討をしております二十一世紀住まい・まちづくりフォーラム委員会、この会議の中におきましても重要な課題の一つとなっております。まだ明確な方向性が定まっておりませんけれども、こうした住宅政策の重要性を十分認識し、住宅政策の中での位置づけと具体的な方策を次の新しい住宅マスタープランの中で十分に検討してまいりたいと考えております。  それから、歩いて暮らせる街づくりについてでございますが、この構想は、内閣及び建設省を中心に、十五省庁が連携をして取り組んでいるものでございまして、本県では六市が応募をいたしております。年度内に全国でおおむね十カ所程度が選定され、来年度以降、計画策定や事業の実施、あるいは各省庁の施策による重点施策が行われる予定となっております。  この構想の基本的な考え方の中には、高齢者が安心して暮らせる住まい、街づくりの推進という観点が重要な位置づけとなっております。県におきましても、本県からの応募市が選定されるように、国に対し働きかけを行うとともに、選定された場合には関係部局と連携して積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。 49: ◯企画部長(柳田昇二君) 新千年紀記念行事に関しまして幾つかの御質問をいただきました。  この記念行事は国が発案し、都道府県、企業、NPO、国際機関等が参加して行うインターネット上の博覧会でありますが、愛知県といたしましても、国と連携してこの行事に積極的に参加し、インターネットの普及と地域文化の振興を図ってまいりたいと考えております。  御質問にもございましたように、現在、国が記念行事のテーマを募集いたしておりますが、愛知県のテーマといたしましては、広く県民各層が関心を持っていただけるような明るく、楽しいテーマを選定いたしますとともに、行事の実行委員会を設置し、世界に情報発信できるような質の高いコンテンツ──インターネットを通じて流す情報の中身でありますけれども、そうした質の高いコンテンツの制作を進めてまいりたいと考えております。  次に、企業による参加でありますが、インターネット博覧会は、企業や県民の皆様方に広く参加していただくことが大切であると考えております。できるだけ多くの方々に参加、協力していただけるような仕組みを検討してまいりたいと考えております。  また、企業の参加や商品販売等につきましては、国において一定の運用ルールを検討中であると聞いておりますので、そのルールを踏まえまして検討してまいりたいと考えております。  次に、予算の算出根拠についてお尋ねがありましたが、今回の予算四千万円につきましては、本県の行事テーマに沿って作成するコンテンツの制作費として計上したものでございますが、このコンテンツの制作費につきましては、県のホームページのように文字とか静止画が中心のものから、動画やコンピューターグラフィックス──CGでありますけれども、あるいは音楽等を組み込んだシミュレーションソフトのような複雑で大規模なものまで、その目的に応じて制作費はかなりの差がございます。  今回、予算を算出するに当たりまして、民間の事例等をいろいろ調査させていただきましたところ、充実している会社のホームページやかなりレベルの高いソフト開発等ではおおむね三千五百万円から五千万円程度の経費がかかっておりまして、これらの点を勘案いたしますと、世界に発信できるようなインターネット博覧会にふさわしいレベルのコンテンツを制作するためには、やはりお願いいたしております四千万円程度の費用が必要かと考えて計上させていただいたものでございます。  なお、今回のインターネット博覧会には全部の都道府県が参加する予定でありますが、国は都道府県に、四千万円程度の費用に見合うレベルのコンテンツを作成してほしいと、そういった要望もございます。本県を含む東海三県では、いずれもこの額の当初予算を計上いたしております。  また、この事業に対しましては、国庫補助金で一千万円、交付税による措置で三千万円の地方財政措置がされる見込みとなっております。  愛知県も応募したらどうかとのお話でありますが、テーマにつきましては、先ほどもお話ございましたように、国が現在広く国民からアイデアを募集いたしておりますが、その後、各都道府県の意向を聞いて調整することとなっております。そうしたことから、その際に愛知県の考え方をきちんと明確にいたしまして国に働きかけてまいりたいと考えております。  愛知県といたしましては、先ほども答弁させていただきましたが、広く県民各層が関心を持っていただけるような明るく楽しいテーマにしてまいりたいと考えているところでございます。 50: ◯知事神田真秋君) 新千年紀の記念事業について、私からも御答弁申し上げたいと思いますが、これは、十二月に担当大臣に就任されました堺屋太一経済企画庁長官が、オリンピックや万博に並ぶ二十一世紀の人類への遺産という、そうした意気込みで取り組んでおられまして、インターネットが普及することによる景気の回復などの経済効果を強調しておられるとも聞いているわけであります。  愛知県といたしましては、これを二〇〇五年日本国際博覧会のプレイベントの一つとしてぜひ成功させる必要があると考えておりますし、また、新千年紀に向かう県内の産業、経済、県民生活全般を盛り上げる大変よい機会になると考えておりまして、積極的に参加することにしたわけであります。  あわせて、本議会でも別の機会に申し上げましたとおり、今まさにIT革命の時代になっておりますので、こういうものを通じて県職員の、いわゆるインターネットやら情報化に対する資質の向上にも結びつけていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、そのために国とも連携を密にいたしまして、できるだけ世界から注目されるような、いわば高いレベルの作品を目指してまいる所存でございます。  また、その成果を生かしながら魅力ある国際博覧会の実現やら、あるいはこれからの地域づくりに、さまざまな分野でこのインターネットの新たな展開を積極的に活用してまいりたいと考えております。  そのような趣旨のものでありますので、よろしく御理解をお願いをしたいと思います。 51: ◯議長神戸昭治君) この際、お諮りいたします。  会議中時間経過のおそれがありますので、時間を延長することに決しまして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] 52: ◯議長神戸昭治君) 御異議なしと認めます。よって、時間は延長することに決定いたしました。  進行いたします。  三輪敦昭君。     [八十九番三輪敦昭君登壇](拍手) 53: ◯八十九番(三輪敦昭君) 議運の委員長さんの大変な御努力と質問者の御協力で登壇の機会を与えていただきまして、まず冒頭、心から感謝を申し上げたいと思います。  それでは、通告に従いまして質問いたします。  神田知事は就任一年を迎えられ、平成十二年度予算案を初めて自分の意志で編成をされ、二月議会に提案をされております。感慨ひとしおと存じます。それは、この会議におきまして、答弁の中で、知事の答弁の中で、一生懸命という言葉が何度も使われておりまして、心中を察する次第でございます。  私は、一年前の神田知事誕生を率直に喜び、また、大変大きな期待を抱いた者として、この一年間、知事の手腕、すなわち判断、決断、そして実行力を見させていただいてまいったわけであります。  なぜならば、候補者神田真秋氏の街頭活動、演説会での言葉の中に、二十一世紀を託す人はこの人だと感じるものがあったからであります。特に私が感銘をしたのは、過去にこだわることなく、事業全体に優先順位をつけ、見直す点は見直し、改めるべき点は勇気を持って事に当たる、この言葉であったと記憶をいたしております。  これで愛知は変わる、変えれると、私は心踊る思いで、微力と言われるかもしれませんが、その選挙戦、全力を投入したと思っております。神田真秋氏当選、わかっていたこととはいえ、テレビで報道されたとき、協力をしてくれた仲間と私の事務所で祝杯を上げ、あすの愛知への夢を語り合ったことをつい先日のように思い出しております。
     そして、一年の月日が過ぎた今、私の胸中は複雑のきわみに至っておるわけであります。県民主役の県政実現を唱えられた知事になって、この一年で愛知はどう変わったのでありましょうか。いや、愛知をどう変えようとされているのでしょうか。私には、その姿と具体的な取り組みが見えないのであります。目につくのは、財源不足対策の歳出削減のためのマイナスシーリングばかりではないでしょうか。  知事就任後、取り組まれた公文書公開、行革大綱の前倒しと、それに伴う組織変更への取り組みは、一定の評価としてだれもが認めることではあります。しかし、それは、時代背景の大きな変化の中、行政の過去のあしき習慣である秘密主義は通用する時代でなくなったことと、行政サービスの向上の名のもと、肥大化の一途をたどった機構を維持できない財政状況に陥ったことも一因としてあると思いますが、それ以前に、自治体として、住民の共有財産を執行する役割が主たる事業である以上、限りなく透明であること、県民の知る権利を守ること、さらには最小のコストで最大の効率の上がる機構改革に絶えず取り組むこと等は自治体の当然の使命であると私は考えます。  したがって、この取り組みは特筆すべきことではなく、その取り組みのおくれていた愛知が、自治体のあるべき姿を示したにすぎないと私は受けとめております。  知事が候補者として声を大にされた事業の優先順位とは何か、そして、愛知の再生と県民のための施策でどう取り組んでこられたのか、勇断をもって県民生活向上のために当たられたことは何であったのかをお伺いをいたします。  以下、知事の具体的な施策への取り組みについて質問いたします。  最初に、中部国際空港にかかわる漁業補償についてであります。  昨年の七月十三日の新聞は、愛知県知事漁業補償を提示、最終上積み額、知多支部五十三億五千万円、総額三百五十二億八千万円を報じております。三河支部上積み六億三千万円、総額三十一億八千万円と合わせますと、知事交渉前の提示額、両支部合わせて三百二十四億八千万円から三百八十四億六千万円へと五十九億八千万円の上積み額となり、提示額に対して一八%強の上積み決着となったわけであります。  私は、補償額が高い、安いということを語るつもりは全くありません。したがって、決着への御苦労は評価をいたしております。しかし、このときの知事の役割は何であったかということであります。漁業補償は空港会社や企業庁などが支払う補償であります。したがって、知事の役目は調整役であったと私は思っております。もちろん両企業体から全権委任をされていたとは思います。  そこでまず、全権委任調整役として、五十九億八千万円の上積み額の積算根拠を伺います。苦労のみが多いこの調整役が、補償者のごとく報道されてしまいました。県民は、これで大変大きな誤解を生じてしまっております。  第一に、漁業補償は県の補償と大多数の県民が思っているということであります。これは、実際私が地元におきまして、さらに友人、知人に対して聞き取り調査をいたしましたが、補償者が空港会社、企業庁、まして連絡橋の会社等というようなことはだれも知らないのが実態であります。  この認識は第二に、県の行う公共事業はごね得の印象を与えてしまったことであり、大規模プロジェクトを多く抱える本県の事業推進に今後障害が出かねないことを憂慮するものであります。この実態、この指摘に対して、知事の所見を求めます。  次に、国際博と新住事業にかかわる問題について伺います。  昨年十一月、通産省とBIEの協議の中で、跡地利用の見直しを求められていたことが判明をいたしました。これに対して知事は、説明不足への対応と事業名の変更によって理解を得ようとの考えを示されたと報道されておりました。知事は当初、跡地利用の見直しが指摘されていたことを知らなかったともされております。しかし、その後、BIE前議長が十一月に来日された際の公式日程の初日に、書簡が知事に直接手渡されていたことが明るみになりました。  書簡の内容を明確にし、その中で新住事業見直しが示されているのか否かを含め、経緯について説明を求めます。  済みません。歯を入れかえまして、大変発言がしにくいもんですから、聞き取りにくいでありましたら、お許しいただきたいと思います。  また、神田知事就任前の平成八年に県などが作成をいたしましたパンフレットの英語版に新住事業の説明が欠落していたことが指摘をされております。このことは意図的であったと対外的に言われても仕方なく、その非を認めざるを得ないと思いますが、所見を伺います。  今回、国、県、博覧会協会は、重大な決意のもと、新しい万博構想を作成しなければなりません。そして、成功をさせなければならないわけであります。新住事業をベースとすれば、WWFを初めとする国内外の自然保護団体の理解は得られず、結果として外国の博覧会参加は見送られることも想定がされます。  したがって、新住事業と国際博は両立が不可能と考えるべきであります。しかし、新住事業でのインフラ整備なくして、万博の会場建設費はどこまで上昇するのか。今の段階では予測すらできない状況にあるとも言えます。  そこで、私から提案をさせていただきます。この際、海上地区の会場は極力縮小をし、エコミュージアムとしての整備、そして、青少年公園を中心とした会場を自然とのかかわりの主会場とし、これに加え、笹島国鉄跡地を国際的交流の場としてサブ会場としてはいかがでしょうか。こうすることにより、アクセスに関しても、主会場は道路系、サブ会場は鉄道系というように自動的に振り分けられ、現在の計画における難問であります一つ、渋滞対策は大きく緩和されると思います。  また、水道、下水道などの博覧会に不可欠なインフラについても、既設機能が活用できるために会場建設費の大幅な縮減が可能になると考えるものであります。  さらに、名古屋を中心とした東西二会場構想は、市内の宿泊機能を利用した一泊二日型の万博見学を創出し、このことが私は大きな経済効果をもたらすものと確信をいたします。提案に対する所見を伺います。  次に、平成十二年度予算案の中で、私自身が最も失望した提案があります。それは障害者医療及び乳児医療の一部を負担するという、このことであります。  私は、福祉はすべて行政負担でなどと考えるものではありません。特に高齢化社会を迎えた今日、高齢者福祉について、一定以上の所得のある方に受益者負担を導入することは、さらなる福祉の充実のためにも理解を求めるべきと考えます。特に今日の病院の実情を見ると、老人医療についても同様に考えているものであります。  しかし、障害者医療と乳児医療については全く別の見解であります。人間として生を受けた人で、障害を持って生まれることを望んだ人が一人でもあったのか。我が子供が誕生する際に親が最後に願うのは、五体満足であってほしい、この一点に尽きるわけであります。  知事は五人のお子さんがあると聞いております。子供の誕生のとき、父親として何を願われたのでしょうか。生まれる子供はもちろんでありますが、周囲のすべてが、正常であってほしい、そういう子供として誕生してほしいと願っておるわけであります。  しかし、現実に障害を持った子供というものは誕生しております。障害を持って生まれた子供への対応は、社会全体の問題として対応すべきと私は考えます。行政は、障害者医療に対して特別な手を差し伸べずして、果たして福祉ということを語る資格があるでしょうか。財政状況が苦しいとはいえ、手をつけていい施策と、決して手をつけてはならない聖域があると私は思うのであります。  さらに、乳児医療についても負担を求めるなどは言語道断とも言えましょう。今日、国家的重要課題の一つは少子化対策であることは改めて言うまでもないことであります。現に、少子化対策として国では特別予算まで計上しているではありませんか。  子供を育てやすい環境づくりは国挙げての事業であります。このようなときに乳児医療の負担を求めるなどは、政治家たる者の私は考えることでない、このように考えます。歳出削減のため、まして従前からの老人医療と同様の扱いなどということは、社会の今日の認識、国の施策にも逆行する発想と私は思えるのであります。  知事は、公約の中に、医療充実に力を注ぐとはっきりと記載をされておられます。現状は、いささか公約と異なる取り組みではないかと思います。今、障害者医療及び乳児医療費について新たな負担を求めることは、大型プロジェクトを大きく抱えておる本県にとりまして、大プロ優先扱い、そして、弱者切り捨てとの県民からの批判は免れないと思います。この二つの歳出削減案はぜひ再考していただきたいと思いますが、所見を求めます。  最後に、知事は、知事四天王という言葉を御存じでしょうか。先日テレビ番組で、宮城の浅野知事、東京の石原知事、三重の北川知事、高知の橋本知事を称して、知事四天王と呼んでおりました。これは、国などに対してみずからの意見をはっきりと言うことのできる知事という意味で使われておったわけであります。  私は、これらの知事について、その手法のすべてを良と考えるものではありません。しかし、いよいよ地方分権の時代を迎え、自己責任のもと、自己の主張を実行していくことができる知事を理想的な知事像として国民は求めているのではないでしょうか。  知事自身がこう呼ばれている知事たちの中に入っていないことに対しいかなる所見をお持ちかお伺いし、壇上での質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 54: ◯企画部長(柳田昇二君) 中部国際空港に係る漁業補償についてのお尋ねでございます。  漁業補償額は、閣議決定されました公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に基づいて算定いたしております。この漁業補償の算定は、漁業経営実態調査や各種統計資料などにより把握をいたしました漁獲金額や漁業経営費から収益を計算いたしまして、その収益が、空港などの建設によりどの程度の影響を受けるかということを基本として算定することとなっております。  漁業への影響の度合いは、漁業影響調査に加えまして、長年にわたり実際に操業し、実態を熟知しておられます漁業関係者の意見も参考にいたしております。  補償額の増額についてでありますが、漁業関係者と話し合い、漁業への影響の度合いなどを意見交換する中で、補償の基準内で認められるものについて算定の見直しを行ったものでございます。具体的には、水質や潮流の変化、また、工事船舶のふくそうといった漁場環境要素の変化が漁業に与える影響を見直したということなどが挙げられます。  また、ごね得の印象を与えたのではないかとの御指摘につきましては、知事提示後、妥結まで相当の日時を要しましたために、そのような印象を持たれたものではないかと思われますが、粘り強く説得を行いまして、最終的に知事提示額で御同意いただいたものでございますので、決してそうしたごね得といったことではないことを御理解賜りたいと存じます。  また、今後の公共事業への弊害を懸念する御指摘がございましたが、漁業補償は、土地における公示価格や基準地価格といった公の指標がない点、あるいは将来の影響を予見してあらかじめ補償する点、影響の度合いについてさまざまな地権者の意見を参酌する必要がある点など、通常の用地買収とは異なる幾つかの特徴がございます。  このような中で、算定は、先ほど申しました損失補償基準に基づいて適正に行っているものでございます。  それから、今回の漁業補償の調整についてでありますが、事業主体が複数にわたることによる統一した窓口の必要性と、漁業補償と並行して漁業振興策の話し合いにも取り組む必要があったことなどから、各事業主体と本県の担当部局で構成いたします愛知県漁業調整推進本部を設置いたしまして、各事業主体からの協力依頼のもとに各事業主体と一体となって取り組んでまいりましたことから、知事が最終的な調整額の提示などをさせていただいたものでございます。  それから、事業主体別の補償額でありますが、御指摘にありましたとおり、既に合意に達した漁業補償額のうち、中部国際空港株式会社が全体の六五・九%に当たります二百五十三億円、企業庁が三三・八%に当たります百三十億円とほとんど大部分を支払っておりまして、そのほかに中部国際空港連絡鉄道株式会社が五千万円、道路連絡橋の事業準備者としての愛知県が七千万円を払っているものでございます。よろしくお願いします。 55: ◯国際博推進局長(森徳夫君) 国際博に関連いたしまして、まず第一点目の、BIEからの書簡についての御質問についてでございますけれども、これは、いわば論点メモといったものでございまして、BIEの二〇〇五年日本国際博覧会の登録に当たっての関心事項を示しておりまして、項目といたしましては、明確で詳細な会場計画の説明とか、あるいは世界的環境団体などへの対応、あるいは、開催に向けた社会的合意の重要性でありますとか、さらには会場跡地利用計画の必要性といったことが記載をされておりまして、お示しの新住事業の見直しというようなことは特に触れているというようなことはございません。  次に、九六年作成の英語版パンフレットに新住事業の説明がないことへの所見をということについてでございますけれども、このパンフレットは、当時の二十一世紀万博誘致全国推進協議会などと共同で作成をしたものでございまして、英語版と日本語版がございまして、当時の関係者によりますと、限られた紙面の中で使用目的あるいは配布先を勘案をいたしまして、内容、構成を考えて作成をしたということでございます。  このため、日本語版では、博覧会と長期的な地域整備事業との関係などにつきまして、英語版と比べまして若干詳細な説明を加えているのに対しまして、英語版の方では逆に、日本語版にはございませんところの、この地域への海外からのアクセスの方法でございますとか、あるいは国の支援体制などにつきまして説明を加えているということでございまして、意図的に住宅など跡地利用の説明を省いたものではないということでございまして、私もこのように認識をいたしております。  また、当時海外向けに、別に愛知県が独自に作成いたしました、当地域に焦点を当てた英語版パンフレットも同時に使用するのを原則にしていたというふうに聞いておりまして、このパンフレットでは、本博覧会が二十一世紀型街づくりのプロセスと一体化した博覧会でありまして、長期的な地域整備、あるいは交通基盤整備を先行利用すること、そして、開催後はいわば里山交流都市としての展開を図っていくことなどが述べられておりまして、これらをあわせますと、BIE事務局あるいは加盟各国へ適切に情報提供がなされてきたと言えるのではないかというふうに考えております。  次に御質問の、笹島旧国鉄跡地をサブ会場としてはどうかという御質問についてでございますけれども、会場計画の策定につきましては、これから極めて厳しいスケジュールの中で、会場地における地域整備事業と一体になって検討し、実効性のある、後戻りのない計画を早急に取りまとめていくことにいたしております。  そして、こうした検討にめどがつき次第、さらに周辺から本会場を支援する機能などの検討を進めていく必要があると考えておりまして、その中で、例えば御提案の笹島旧国鉄跡地などといった場所につきましては、それぞれの性格をどのような形で生かせば本会場を支援する機能の展開が可能であるかなどにつきまして、今後、国、博覧会協会、名古屋市等と十分な連携をとって検討していくこととしてまいりたいと考えております。  以上であります。 56: ◯民生部長大見賢治君) 障害者医療費と乳児医療費補助金の歳出削減案を再考すべきと思うが、どうかとの御質問でありますが、かつて経験したことのない厳しい財政環境下にあります本県では、すべての分野での見直しをし、歳出の抑制をせざるを得ない状況にありますことから、この福祉医療費補助金につきましても、十一年六月補正以降、対象者の範囲や受益者の公平な負担のあり方について慎重に検討を進めてまいりました。  その結果、障害者医療と乳児医療につきましては、これまでの対象者から、この福祉医療による受療の機会を奪わないようにとの趣旨で、対象者の減少につながる所得制限の導入は見送り、必要最小限の見直しとして、医療にかかった人とかからなかった人との負担の公平という観点から、一部負担のみを導入することとしたものでございます。  また、真に援助が必要な低所得者には、福祉給付金支給制度において、一部負担金相当額を助成する方法で別途救済措置を講ずることとしたところでありますので、御理解を賜りたいと存じます。 57: ◯知事神田真秋君) 愛知の再生に向けてどう取り組んできたのかと、このような御質問でありました。  基本的に、愛知県は今さまざまな問題を抱えておりまして、私の基本的なスタンスとしては、決して前例にとらわれることなく、自分の目で判断をしたいと、そのような気持ちで取り組んできたところでありますが、先ほどお話の中で、情報公開あるいは行政改革というのは時代の要請で、当然やるべき仕事だと、こういう御指摘もいただきました。あるいはそのとおりだと思います。そのとおりでありますが、情報公開のおくれてきた愛知の現状もそうであります。  情報公開、それなりに努力してやってきたつもりでありますし、行革につきましても、想像以上に財政の悪化、収支不足、これを何とか克服するというのは大変な作業でありました。今まで手をつけたことのない分野にも、多くの皆様方の御理解のもとに手をつけてきたわけでありまして、こうしたものに対しても、再生という意味で重要な仕事だと取り組んできたところであります。あるいは、きょうも御質問がありました空港あるいは博覧会に対する対応も、そのような気持ちで取り組んでまいりました。その点は御理解をいただきたいと心からお願いを申し上げます。  なお、先ほど、四名の知事さんのお名前が出ました。どの知事さんも、知事会の活動などを通じて親しくさせていただいておりますし、いろいろおつき合いがあるわけでありまして、お話のとおりどの方も立派な見識をお持ちの方々だと、私も同感であります。  ただ、この四名の知事さんのほかに、私の存じ上げている方で、もちろん立派に地方自治のために御活躍の方はたくさんおられるわけでありますし、それは中部の知事会あるいは全国知事会などを通じて交流させていただいておりますけれども、私も大いに刺激を受け、参考になるたくさんの知事さん方がお見えでありますので、この点についてもぜひとも御理解をいただきたいと思っております。 58: ◯八十九番(三輪敦昭君) 再質をさせていただきます。障害者医療と乳児医療の一部負担についてであります。  民生部長としての答弁、それは行政マンの立場で当然と私は受けとめております。歳出削減というこの難題を自分の部でどう取り組むのか、何に手をつけれるのかということで、ここにも手をつけたと、こういうことであります。  私は質問の中で、先ほどの質問の中で、手をつけてはならない聖域がある、この言葉を使いました。今日まで、障害者福祉関係の予算、今日までもいろいろな施策がこの厳しい財政状況という中で削減をされてきておるわけであります。一定の我慢は障害者福祉も例外ではない。このように私も受けとめておりましたし、また、来ていただく障害者の皆さんにも、できるだけそのように説明をさせていただいてまいったと、このように私は考えております。  しかし、この医療費というのは、障害者は、ただでもハンディがある方が、さらに病気にかかった、医療にかかったときということであります。私は、この部分だけは、やはりその障害者福祉の中では手をつけてはならないと、このように受けとめておったわけであります。障害者に対する追い打ちだと言われても、これは仕方がない。  しかし、低所得者に対しては後から返しますと、こうおっしゃるわけですが、障害を持った人に、後から返すから取りにこいなどと言うのは、これははっきり言って行政のおごりであり、過去のお上の発想だと私は思えるわけであります。  愛知県が、じゃ、自治体としてですよ、事業をやって、お金をもうけて、県民のために事業を施しておるならば、それはいいわけですが、現実に財源というのは県民が納めた税金であるんです。そして、不足した財源は県民が後でまた負担をするという、県債ですべて賄っておるわけでありますから、私は今のような取り扱いというのは納得できない。  さらに、今のこの乳児医療、これも一部負担と、こうなっておりますが、今発行する県債は、この子供たちが将来返すんですよ。この子供たちが生まれて、健康管理することに対して行政が気を配らない。まして、少子化が叫ばれ、このことが国の大きな問題になっておる。こういうときに、安心して子供の産めない社会に逆行するなどということは、今やっちゃいかぬと思うわけであります。  しかし、行政の発想として、厳しい財政の中で、削減を何に求めるかということで手をつけられたということについては了解しますが、この問題は私は、知事さん、政治判断すべき問題だと思うわけであります。行政が判断することじゃない。政治が判断をして、県民に対して、このことだけは守るという最後の私はライン、侵してはならぬと思うわけであります。いま一度判断をし、決断をし、御答弁をいただきたいと思います。 59: ◯知事神田真秋君) 再度のお尋ねでありますので、御答弁を申し上げたいと存じます。  愛知県の財政のさまざま厳しい状況については、議員も御理解のとおりでありますし、今議会もたび重なる議論があったわけでありまして、この危機的な状況を乗り切るためには、大変つらい選択が数多くこれまでございました。この議会の別の議員さんからの御質問の中でも、最もこの一年間心を配ったことは何だろうと、その御質問に対しても、したがって率直にお答えを申し上げたところであります。  今御質問の障害者あるいは乳児の医療は、仰せのとおり、県民生活の中で大変重要なものであることは認識をいたしておりますが、私ども、財政を立て直す上で、聖域なく、さまざまなものに対して、大変難しく、苦しいことであるけれども、見直さなければ、この危機的な状況を克服できないという点で、教育だとか老人だとか、いろんなものについて検討させていただいた結果でございまして、先ほど、中身については部長が申し上げたとおりでありまして、慎重が上にも慎重に検討する中で、所得制限の導入は見送ることにいたしました。一部負担金という、これは老人保健法の現在の基本的な考え方を踏襲するものでありますけれども、この制度の中でお願いをしなければならないと、そのように判断をしたわけであります。  そして、できるだけ影響が少ないように、さまざま問題があるにいたしましても、できるだけ影響が少ないように、そうした措置も講じたところでありまして、大変御心配をおかけし、さまざま御議論の対象になっていることは承知いたしておりますけれども、意のあるところをお酌み取りをいただき、これまでの論議の経過も御理解をいただき、ぜひとも認ていただきたいとお願いを申し上げる次第であります。 60: ◯議長神戸昭治君) 以上で一般質問を終結いたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 61: ◯五番(吉川伸二君) 本日はこれをもって散会し、明三月四日から三月六日までは休会とし、三月七日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     [「賛成」と呼ぶ者あり] 62: ◯議長神戸昭治君) 吉川伸二君の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] 63: ◯議長神戸昭治君) 御異議なしと認めます。  明三月四日から三月六日までは休会とし、三月七日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後五時二十一分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...